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REITの優勝劣敗が進む裏で、買収の動きが具体化

2006/08/17

 会計を中心としたコンサルティング事業を手がけるビジネスバンクコンサルティングは10月、パレックス(旧・東京リート)を完全子会社化する。パレックスは、東京グロースリート投資法人を運営するグロースリート・アドバイザーズの親会社。REITの運営や不動産証券化に関するノウハウを保有していることから、買収することにした。間接的にではあるが、ビジネスバンクコンサルティングはREITを傘下に収めることになる。

 REITの上場銘柄はいまや37を数える。8月11日時点の株価(投資口価格)水準は利回り3%そこそこから7%を超えるものまで様々だ。「REITの株価を1口あたりの純資産額で割ったPBR(株価純資産倍率)が、1倍を割り込む銘柄もある。REITが解散したら株価以上の金額が分配されることを意味しており、それだけ市場の評価が低いということだ」(証券会社担当者)。株価が落ち込んだREITは公募増資もままならず、物件取得による外部成長を期待できない。成長できなければ株価の上昇にもつながらず、悪循環だ。

 袋小路に陥ったREITにとって買収されることは、現状の打開策となりうる。買収にはいくつかのパターンが考えられるという。(1)投資法人の投資口を大量取得して議決権の過半を確保し、運用会社を変更する方法、(2)運用会社の株式を譲り受けて子会社にする方法、(3)REITのポートフォリオをすべて取得して上場廃止する方法、などだ。いずれの手法にしても敵対的な買収は難しく、被買収REITとの話し合いがベースになる。

 ある私募ファンド運用会社の担当者は、「運用資産拡大のため、REIT(不動産投資信託)の買収も視野に入れ始めた。投資銀行からの誘いもある」と語る。具体的な名前は明かしていないが、株価が低迷し、割安になっているREITが候補だ。今後、REITの運用資産をねらって買収の動きが具体化しそうだ。

(三上 一大)

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