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【予測】国内不動産市場は価格高止まりが続く見通し、三井住友トラスト基礎研

2018/01/12

■国内不動産市場@2018年
価格はゴルディロックス(適温相場)と言われる経済・金融環境を背景に、大きな変動なく高止まりが継続すると予想している。投資市場は、期待利回りの低下圧力と上昇圧力が相殺し、横ばい圏で推移すると予想。世界的な低金利で運用難の状況が継続しているなか、資金シフトで株式市場は高騰しており、リスク分散と安定したインカムを期待できる不動産への投資需要は堅調に推移するだろう。先行して不動産投資を実行してきた投資家はさらなる投資拡大を控える動きとなろうが、国内外の公的年金や金融機関には、これから日本での不動産投資を開始もしくは拡大していくステージの投資家も少なくない。賃貸市場もおおむね好調に推移する見込みだ。
■国内上場REIT市場@2018年
各投資法人の堅調な運用継続のもと、投資魅力のある市場として安定成長を続けると期待している。分配金は、引き続きプラス成長を継続すると予想。また低金利環境の継続や国内景気の回復継続見通しのもと、REITのバリュエーション魅力に着目した資金流入は継続するだろう。市場の需給悪化懸念、海外金利の上昇、地政学リスクへの懸念の高まりといった点は2017年同様、リスク要因だ。
■国内不動産私募ファンド市場(私募REITを含む)@2018年
市場規模は横ばいから緩やかな拡大で推移するとみる。緩和的な金融環境の継続から、私募REITや不動産私募ファンドに対する、特に国内投資家の旺盛な投資意欲は継続するものの、取引市場において供給される投資適格物件は引き続き限定的となることが予想され、上場REITなどとの取得競争激化を背景に、私募REITや私募ファンドによる物件取得環境は厳しい状況が続くものと考えられる。
■海外不動産市場@2018年
海外不動産市場ではキャピタルリターンに多くを期待できず、インカムリターンをより重視した投資が増えそうだ。経済環境面では、数々の政治リスクや地政学リスクが2018年に持ち越されているものの、世界経済は比較的好調な見通しである。不動産賃貸市場では、市場によって供給過剰感は異なっているものの、好調な経済を背景に需要は底堅く、緩やかな賃料上昇が見込まれる。不動産投資市場では、投資需要が引き続き強く、ファンダメンタルズも良好なため、高値圏にあるものの取引量は堅調に推移している市場も多い。ただし、過去最低水準にまで低下したキャップレートのさらなる低下は期待薄だ。各国の金融緩和政策は転換点を迎えており、金利は上昇トレンドに転じる可能性が高いことから、不動産価格上昇はキャッシュフロー改善による緩慢なものにとどまる見通し。結果として、インカムリターンの存在感が増すことになる。
■PPP・インフラ市場@2018年
2018年も空港分野を中心にコンセッション方式を活用した民営化の動きが顕著に見られるだろう。富士山静岡、福岡、南紀白浜の各空港などで優先交渉権者が選定され、北海道内の複数の空港や広島・熊本空港などで民営化に向けたプロセスが進展する予定だ。空港以外では、公営ガス事業、公営発電施設、上水道・下水道・工業用水道事業、スポーツ施設、美術館・博物館、クルーズ船向け旅客ターミナル施設などの分野へコンセッション方式の活用が広がることが期待できるだろう。一方で、公共インフラのセカンダリー市場は依然醸成されておらず、金融投資家による投資機会はないままだが、2017年末に商社系運用会社による総合型インフラファンドの組成が発表されるなど、期待は高まっている。

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