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物件不足の日本に注がれる海外の熱視線

2019年5月号

2019/04/19

 不動産業向け貸し出しの対GDP⽐率は、1990年末以来初めて「過熱」を⽰している――。日本銀行は、4月17日に発表した金融システムレポートで、このように指摘しました。現政権下で大胆な金融政策が始まって以降、国内の銀行・信用金庫による不動産業向け融資残高は増え続け、今では約100兆円に上ります。ただ設備資金の新規融資をみると、2016年をピークとして漸減傾向。日経不動産マーケット情報2019年5月号に掲載した今年1月~3月の売買事例分析のタイトルも「物件不足を背景に売買高の減少傾向が続く」です。日銀は先のレポートで、不動産市場そのものに過熱感はないとしていますが、数少ない投資機会をめぐって高値が続いているのは確か。投資家は今後も難しい投資判断を迫られそうです。

 5月号の特集は、今年で30回目を迎えた仏カンヌでの国際不動産コンファレンス、MIPIM(ミピム)の現地レポートです。参加者の関心を引き付けたのは、目前に迫ったBREXITの影響。確固たる方針を決められない英国政府に愛想を尽かし、悲観的な見通しを語る人がいる一方で、英国への投資にポジティブな意見も。10月末までの離脱期限延期によって目先のノー・ディール(無秩序離脱)は回避されましたが、不透明な状況に投資家のいらだちは募りそうです。MIPIM会場では、海外のファンドマネジャー10人以上に日本への投資についてもインタビュー。対日投資への関心は引き続き高いことがわかりました。物件不足の日本市場で、さらなる取得競争が繰り広げられることになります。ぜひ特集でご確認ください。

 ほかにも5月号では、四半期ごとに実施しているオフィスビル成約賃料調査の結果や、移転ニュースなどを掲載しました。売買レポートでは、日鉄興和不動産や第一生命など6社が千数百億円で落札した再開発ビルや、モルガン・スタンレーが取得した有明セントラルタワー、アンジェロ・ゴードンが取得した梅田のE-ma(イーマ)など24事例を収録。これらを含む取引事例141件を一覧表にまとめました。

 なお本誌は6月28日(金)、「不動産クラウドファンディングをめぐる動向と実務」と題するセミナーを開催します。クラウドファンディングの実務者を中心としたスピーカーが、市場概説から各種の組成スキーム、最新の規制動向までを解説します。今後、市場拡大が見込まれる注目分野。皆様ふるってご参加ください。

三上 一大日経不動産マーケット情報

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