成功のカギは羽田アクセス以外の特色

 新たな開発案件は駅前プロジェクトを除いて海側に集中しているが、もともと内陸側(西側)の大門、芝公園方面にも芝パークビルなど、大きなオフィスビルが多い浜松町。再開発によりオフィス床がエリア全体で10万坪ほど増え、新規ベースでは新橋エリアを上回る規模になる。しかし、需給のバランスは取れるのだろうか。

増上寺の大門。増上寺が1598年に現在地に移り、徳川将軍家の菩提寺となった頃から、増上寺の関係者が周辺に移り住み、海岸が埋め立てられて浜松町の街が形成された歴史がある(写真:赤坂 麻実)
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延べ面積が10万m2を超える芝パークビル、通称「軍艦ビル」(写真:赤坂 麻実)
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芝公園。周辺は環境が良く、企業にも人気(写真:赤坂 麻実)
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芝公園の向かいには、港区役所や有名な一軒家フランス料理店の「クレッセント」がある。1968年竣工のザ・クレッセントハウスは後期ヴィクトリア朝風の建築様式を取り入れたという(写真:赤坂 麻実)
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 「ビジネス街として羽田空港へのアクセスは魅力。これまでは東京-品川間に位置して賃料が手頃ということで、需要は堅調だった。街のブランドをとくに必要としない製造業の拠点になることも多かった。しかし、今後急増する供給量をさばくには、羽田アクセス以外の特色も必要になるだろう」(三幸エステートの今関豊和チーフアナリスト)

 海側の街並みが刷新されれば、街全体のイメージの底上げにつながるはずだが、都市間競争をどう勝ち抜くのか、開発を主導する各社の戦略が注目される。

1フロア100坪以上の新規オフィス供給量の推移。単位は坪、対象は東京都内、2017年以降は予定。うち浜松町駅近辺の物件を特記で示した。オフィス貸床面積が1万坪を超える大型プロジェクトが目白押しだ(資料:三幸エステートの資料に日経アーキテクチュアが作成)
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新橋、浜松町、田町の各駅周辺におけるオフィス賃料の推移。単位は円/坪。浜松町駅周辺は今年に入ってから緩やかに上昇が続いている ※新橋駅周辺:新橋、西新橋、東新橋 浜松町周辺:浜松町、芝大門、芝公園、海岸1丁目 田町駅周辺:芝、芝浦(資料:三幸エステートの資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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御成門駅近くのパナソニック東京本社があった区域には、住友不動産が22階建てオフィスビルを建設中(写真:赤坂 麻実)
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同じく御成門エリアに京王電鉄がニチアスから土地を貸借して、約330室のビジネスホテル「京王プレッソイン浜松町」を建設中。2017年冬に開業する(写真:赤坂 麻実)
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浜松町エリアの北端辺りのJR線路沿いには、三井不動産レジデンシャルの37階建てマンション「パークコート浜離宮 ザ タワー」(563戸)が2018年10月に竣工予定。写真左奥にはタワーマンションの「アクティ汐留」が見える(写真:赤坂 麻実)
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■変更履歴
初出時、3ページ目の小見出しと同ページ内で浜松町ビルディングから東芝本社が移転した旨の記載がありましたが、本社は移転していないので当該部分を修正いたしました。 [2018/3/23 午前11:50]