バックオフィス需要を独り占め

 こうした大型店舗の集積が進むにつれて、立川は周辺地域からも人を集めるようになり、多摩地区の中核地に成長した。JR東日本の中央線、青梅線、南武線が乗り入れる立川駅の乗降人員は2015年度実績で16万人を超えた。23区外の駅では最多であり、八王子駅とは倍の開きがある。

JR中央線主要駅の1日当たり乗車人員数の推移。立川は2001年に吉祥寺を抜き、多摩地区の中核にふさわしい規模となった。新宿より郊外側で8万人以上の駅をピックアップした(資料:JR東日本の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 立川駅はJRの3路線が通り、多摩都市モノレールの立川北駅、立川南駅と連絡しているため、後背地が広いという特性がある。多摩モノレールは現在、上北台-多摩センター間が開通しているが、今後、北は箱根ケ崎まで、南は町田と八王子まで延伸する構想があり、さらにすそ野が広がるとみられる。

南北のアクセスを担う多摩モノレール。立川北駅の乗車人員(1日平均)は2014年度実績で約1万9000人で最多(写真:赤坂 麻実)
[画像のクリックで拡大表示]

 オフィス需要も堅調だ。「立川はコールセンターや電算センターといったバックオフィスの需要が強い。大手企業にとっては、本社は置かないまでも、西東京支店や営業所を置くのに最適な場所だろう。大宮と似た位置づけといえる。特に、ファーレ立川の新鈴春ビルなどは常に満室で、たまに空きが出ても出値で決まる人気ぶりだ」(三幸エステートの今関豊和チーフアナリスト)。

オフィスの規模別にみた1坪当たりの賃料(左、単位は円)と空室率(右、単位は%)の推移。大規模オフィスは、賃料が上がり空室率が下がる傾向にあり、人気が集まっていることが分かる。ここでの規模の定義は、基準階1フロアの面積が、大規模は200坪以上、大型は100坪以上200坪未満、中型は50坪以上100坪未満、小型は20坪以上50坪未満(資料:三幸エステートの資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 立川は、23区内とは違った役割を果たしており、同等の競争力を持った都市が周辺にないため、今後も東京西部で一人勝ちの状況が続きそうだ。