オートデスクは東京・表参道で「創造の未来(The Future of Making Things)」というテーマで、期間限定の展示会、体験イベントを開催した。3Dソフトによる設計、デザインと様々なCNC(コンピューター制御)の工作機械によるものづくり最前線を、業界横断型に紹介したものだ。その展示品からは、3Dプリンターの様々な可能性を見せつけられた。

 BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)などのソフトでおなじみのオートデスクは、10月23日~11月8日、東京・表参道で「Gallery Pop-Up Tokyo」というギャラリーを開催した。

 2階建ての会場には、国内外から集められた40点以上の作品が所狭しと展示され、その活用分野は建築だけでなく自動車やファッション、そして医療分野や芸術にまで至るものだった。

東京・表参道で開催された「Gallery Pop-Up Tokyo」の会場(写真:家入龍太)
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水族館の水槽模型を3Dプリンターで、水流も見える化

 建設関係者の1人として興味深かったのは、日本設計が設計して現在整備を進めている上越市の新水族館の模型展示だった。

 この水槽は、日本海の海底地形を縮小した形をしている。複雑な3D形状の水槽内で水をよどみなく循環させ、かつ魚が来場者に見やすい位置に集まるように、数値流体力学ソフト「Autodesk CFD」を使って水流を解析したのだ。

 解析の結果、得られた流線を3Dプリンターで2種類の模型に出力した。1つは、透明な樹脂の中に繊細な線で水流を表現したもの。これまでパソコンの中で動画や画像として見ていた解析結果を手にとって見られる模型にした点が興味深かった。

 もう1つは、水槽の完成イメージを模型化したものだった。模型には水槽のガラス面からのぞき込む来場者の姿も作り込まれていた。その目前には流速を色分け表示した太い流線が通り抜ける。来場者と複雑な3D曲線の流線を模型で示せたのは、3Dプリンターならではの表現だ。

水槽の水をイメージした透明素材の中に、水の流線を細かく表現した模型(写真:家入龍太)
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日本海型水槽の完成イメージ。来場者が水槽をのぞき込む様子が表現され、その前を流れる水流が太いカラーの線で造形されている(写真:家入龍太)
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CFDによる日本海型水槽の水流解析(資料:オートデスク)
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