山梨県内を流れる笛吹川上流にある広瀬ダムには、全長3kmにもわたる規模のダム湖がある。このダム湖をドローン(無人機)で空撮して精密な3Dモデルを作り、そのデータをフルカラーの3Dプリンターで造形して、丸ごと模型化するプロジェクトが行われた。できあがった模型には、空撮データにあったダム湖周囲の紅葉までもが再現されている。

ドローンによる空撮写真と3Dプリンターで作成したダム湖のフルカラー模型(写真:アイジェット)
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 山梨県甲斐市のハヤテ・コンサルタントは、広瀬ダム建設当時の原石山(ダム建設に必要な資材を採取する山)の法面の岩盤崩壊対策やダム観光資源の景観検討などを行う業務を、山梨県から受注した。

 全長3kmにもわたるダム湖や原石山などの現状を把握するために導入したのが、ドローンだ。

全長約3kmにも上る広瀬ダムのダム湖(資料:ハヤテ・コンサルタント)
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ドローンでダム湖や原石山の現状を把握

 まず行ったのはドローンによる空撮だ。ダムの各部分を上空から撮影することで、地上からは見えにくい老朽化個所や、ダム湖を見渡した風景がよくわかる。

 例えば、原石山では大きなくぼみの発生や吹き付けモルタルの乖離(かいり)、防護柵や小段などの劣化といった状況が手に取るようにわかった。これらの情報は、防災設計に生かされることになった。

 また、ダムの堤体付近にある管理事務所や取水塔、クレストゲート(非常用ゲート)などを俯瞰(ふかん)した写真は、次回に再塗装する際の色彩検討に使われた。

原石山の空撮写真。劣化状況などが手に取るようにわかった(資料:ハヤテ・コンサルタント)
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堤体付近を俯瞰した空撮写真は、再塗装時の色彩検討に使われた(資料:ハヤテ・コンサルタント)
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 さらに、ドローンからの空撮写真は、ダム湖全体の3Dモデルを作るのにも使われた。

 ドローンの飛行ルートをパソコンで設定し、上空から画角が70%ずつ重なるようにダム湖の連続写真を撮影するのだ。

ドローンによる空撮機材(資料:ハヤテ・コンサルタント)
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空撮に使用したドローン(資料:ハヤテ・コンサルタント)
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広瀬ダム堤体付近のフライトプラン(資料:ハヤテ・コンサルタント)
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