路面切削量を大幅に削減する効果

 従来の「削る」ことにより路面を平らにする方法は、少数の穴のために大多数の健全な路面を切削することになり、無駄が多い方法といえる。

 全米で路面補修のために削り取られるアスファルト舗装の量は、毎年、9000万m3にも上るという。

 その作業にかかるエネルギーやコスト、時間、そして車線規制による交通への影響は膨大だ。

 開発者の一人であるアドバンスド・ペービング・テクノロジーズ社のジョン・スミス社長(John Smith)は「この機械は、シリコンバレーを走る州道101号線で舗装工事のために渋滞が起こっているのを見て思いついた」と語る。

路面切削作業のほとんどは健全な舗装部分を削り取る作業に費やされる(写真:Advanced Paving Technologies)
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切削されたアスファルト舗装材を搬出するダンプトラックの列(左)とアスファルト舗装材の山(右)(写真:Advanced Paving Technologies)

 この3Dアスファルトフィニッシャーが実用化されれば、切削作業は盛り上がった部分や亀裂がある部分など、問題のある部分だけを少し削るだけで済む。

 その結果、既設路面の切削量は激減し、舗装作業にかかる時間やコスト、環境負荷なども大幅に減ることになる。

 3Dスキャナーと3Dプリンターの技術によって、道路の維持管理の業務も、大きく変わろうとしているようだ。

3Dアスファルトフィニッシャーのイメージビデオ(資料:Advanced Paving Technologies)
家入龍太(いえいり・りょうた)
家入龍太(いえいり・りょうた) 1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。 日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。 IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。 公式ブログ「建設ITワールド」(http://www.ieiri-lab.jp/)を運営。 著書に「CIMが2時間でわかる本」(日経BP社)、「図解入門 よくわかるBIMの基本と仕組み」(秀和システム)など。