岩かぶりは2~3m

 事故があった箇所をNATMで施工する方針は、概略設計の段階で固まった。福岡市から概略設計に当たる構造検討業務を受託したのは日本シビックコンサルタントだ。

 七隈線博多駅ホームの西側半分と駅間トンネルの一部を含む約196mの区間をNATMで掘削する。この区間には、地表から16mほどの深さまで地下水を含む砂層やれき層などが堆積。その下の風化頁(けつ)岩や砂質頁岩などから成る岩盤層にトンネルを通す。

陥没事故が発生した地点の横断図(資料:福岡市)
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地下鉄七隈線延伸部の地質縦断図。星印の地点をNATMで掘削している際に事故が発生した。図中のbは盛り土や埋め土、asとdAsは砂質土、acは粘性土、dAgは砂れき、Trは風化頁岩や砂質頁岩などの軟岩層。地表から深さ約2.5mに地下水位がある。西隣にあるシールド区間のシールド機はまだ発進していない。福岡市の資料に日経コンストラクションが加筆
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 ただし、トンネルの岩かぶりは2~3m程度と薄い。しかも、岩盤層の上端は風化によって粘土化した不透水層となっていた。掘削によって不透水層を突き破らないよう注意する必要があった。

 市は2012年1月、有識者で構成する地下鉄七隈線建設技術専門委員会を設置した。市によると、その2回目の会合で日本シビックコンサルタントの提案に基づいて工法を協議したという。

 市はその後、委員会の意見などを踏まえ、NATMを含む区間の実施設計を発注。八千代エンジニヤリングが12年7月に受託した。