覆工コンクリートが崩落

 俵山トンネルの中を坑口からのぞくと、覆工コンクリートのひび割れを発見した。下には少量のコンクリート片が散乱していた。

俵山トンネルの熊本市方面側の坑口部。ひび割れが生じていた(写真:日経コンストラクション)
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俵山トンネルの熊本市方面側の坑口部。コンクリートの破片が散乱していた(写真:日経コンストラクション)
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 視線をトンネル奥にやると、コンクリートの塊がトンネル内に散らばっているのがうっすらと確認できた。近寄ってみると、覆工コンクリートの表層はく落という規模ではなく、比較的、大きな塊が崩落していたのだ。

 正確に確認したわけではないが、覆工コンクリートのずれはないように見えた。今から振り返ると、もっとしっかりと確認すれば良かったのだが、余震が来たらトンネルがつぶれはしないかという恐怖心に負けて、坑内では長居しなかった。周囲の静寂感と吹き抜ける風が、恐怖心をさらにあおった。

坑口部から100mほど進んだ箇所に大きな崩落跡があった(写真:日経コンストラクション)
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崩落跡から少し歩いて奥を撮影。トンネルの線形がカーブを描いており、しばらくすると自然光が入らなくなった。暗闇で危険を感じたために進むのを断念した(写真:日経コンストラクション)
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 4月26日時点で、俵山トンネルは復旧のめどが立っていない。県道28号ではトンネルだけではなく、橋桁の損傷や道路の陥没など、様々な構造物の被害が尋常ではない。今回、自分の足で歩いて実感した。

 土砂災害などの被害が大きかった南阿蘇村へ向かうには、現状では南を走るグリーンロードを使って大きく迂回しなければならない。南阿蘇村へショートカットできる県道28号は、一刻も早い復旧が望まれるが、その道のりは険しいだろう。

 この日は、午前中に南阿蘇村へ向かう予定にしていた。「トンネルを抜ければ、南阿蘇村は目と鼻の先なのに」と思いながらも、来た道をたんたんと歩いて戻るしか手段はない。車の止まる出発地点まで戻ると、結局、徒歩で3時間弱の行程だった。