報道関係者が引き返す

 歩き始めてすぐに、前方からこちらに戻って来る3人組の姿を確認した。報道関係者と見られる彼らに道の先の様子を聞いたところ、「橋と道路の間が大きく開いている場所がある。危険だから引き返してきた」と答えた。

 俵山トンネルの被害状況も聞いてみたが、「我々も気になっているが、分からない」という言葉を残して、去っていった。

 県道28号は、構造物の被害が集中する道路として、既に専門家から指摘されていた。その理由の一つが付近を走る布田川断層帯だ。産業技術総合研究所の活断層データベースによると、県道28号に沿うように布田川断層帯が走っている。土木学会の緊急調査でも、県道28号沿いの橋梁被害が数多く報告されていた。

 出会った報道関係者の指摘を受けて、「俵山トンネルまで本当にたどり着けるのか?」と、出はなから不安が募る道行きとなった。

産業技術総合研究所の活断層データベースに日経コンストラクションが加筆
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 彼らと別れてからしばらく歩くと、「道路と橋の間に大きな隙間が生じている場所」にたどり着いた。大切畑大橋だった。

 ジョイント部に段差が生じ、桁が大きく揺すられていた。桁の荷重を橋台に円滑に伝えるゴム支承が破断。それでも桁が落下しなかったのは、落橋防止装置が働いてたからだった。

大切畑大橋のジョイント部(写真:日経コンストラクション)
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落橋防止装置が効いて、桁の落下は免れた(写真:日経コンストラクション)
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大切畑大橋付近で土砂崩壊が生じていた(写真:日経コンストラクション)
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