首都高更新計画と再開発計画が引き金

 日本橋上空の首都高地下化の構想は、過去にたびたび浮上してきた。この10年ほどの間にも、政府の有識者会議が2度提案している。小泉純一郎元首相の私的諮問機関「日本橋川に空を取り戻す会(日本橋みち会議)」が06年に具体案を盛り込んだ報告書を発表したほか、国交省の「首都高速の再生に関する有識者会議」も12年に地下化に言及した提言をまとめている。

 ここにきて動きが加速したのは、首都高の老朽化に伴う大規模更新計画が具体化したことに加え、周辺の街づくりの機運が高まり、地元の協力を得やすい環境が整ってきたことが背景にある。

 14年に首都高の大規模更新計画が作成され、16年には日本橋周辺の街づくりの計画が政府の国家戦略特区の都市再生プロジェクトに追加された。特区のプロジェクトに位置付けられたことで、都市計画決定の迅速化など行政手続きの優遇措置を受けられるようになり、「周辺の街づくりが進んだ」(国交省道路経済調査室)。

首都高地下化の背景と今後の取り組み(資料:東京都)
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 さらに今年6月6日、地元民間団体である「名橋『日本橋』保存会」と「日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会」が、首都高の撤去・移設に関する請願書を11万2665人の署名とともに参院議長宛てに提出。15年9月の衆院議長宛ての32万9500人の署名と合わせると、計約44万人が首都高撤去を国会に請願したことになる。こうした地元の動きを受け、中央区も今年7月14日に国交省と都に対して、市街地再開発事業における地元合意形成や首都高地下化に協力することを申し入れている。