定価:本体2,000円+税
広瀬 郁 (著)
A5判、224ページ
ISBN:978-4-8222-0074-9
商品番号:257940
発行日:2017年3月28日
新規事業に人材を集めて「プロジェクトをデザインする」という観点から、ものづくりの在り方、参画・貢献するための働き方を解説
市場や社会にインパクトを与える新しいモノやサービスを生み出すためには、これまでに基盤を築いてきた企業あるいは自治体と、様々な才能を持つ外部の専門家が適切にチームを組み、創造性を存分に発揮できるようにプロセスを踏む必要があります。 その時に、組織の立場で関わる人材と独立した立場で関わる人材、組織と社内外の個人の間に生まれがちな「谷間(溝)」に橋を架ける意識や、その役割となる人材を重視して臨まないと、せっかく投じる経営リソースを生かせないまま終わってしまいます。 本書では、新規事業のために特別に人材を集めて「ブリッジング」という観点から、これからのものづくりの在り方や進め方、そこに参画・貢献するための働き方を解説します。
目 次
- 序章 プロジェクトをデザインしよう
- ◇「目には見えない部分」をデザインする
- ●成功体験に縛られた組織
- ●プロジェクトの定義
- 1章 クリエイターがもたらすもの -組織に創造性を招くために
- 1-1 「クリエイター」「クリエイティブ」とは?
- ●クリエイターはこだわりを仕事に込める
- ●クリエイティブという価値
- ●日本が誇るあまたの才能を生かそう
- 1-2 なぜ「クリエイター」がプロジェクトに必要なのか?
- ●イノベーションはクリエイターありき
- ●「餅は餅屋」に限る
- ●組織の外へと橋を架ける
- 1-3 クリエイティブが稼ぎの柱になる
- ●無形の資産がものを言う
- ●「見かけ」だけがクリエイティブじゃない
- ●クリエイティブはニーズにフォーカスする
- ●無形の価値を信じ事業に変革をもたらす
- 1-4 ブリッジングプロジェクトの3つの効果
- (1)プロセス - “共に学ぶ”効果
- (2)コモンセンス - “常識”が入ってくる効果
- (3)カルチャー - 染み付いた“文化”を変える効果
- ●インハウスクリエイターこそブリッジパーソンとなれ
- 1-5 “クリエイター怖い”あるある
- ●あり得ない金額の請求が来た!!
- ●役員プレゼンなのにサンダル?
- ●まだアイデアが降りてきませんか……?
- ●こ、これは……いったい何ですか?!
- 1-6. あなた自身にもたらされる効果
- ●組織と自分の仕事の関係を再定義
- ●少しくらい組織内で浮いたっていい!
- 2章 マインドセットをデザインする -プロジェクトのあるべき姿を考える
- 2-1 何を目指すかを考え抜き、「言葉」にする
- ●動機が弱いと一丸になれない
- ●言葉は強力な推進力をもつ
- 2-2 マインドセットの本質
- ●第一に「ヴィジョン/ミッション/コンセプト」を
- 2-3 コンセプトの整理
- ●「定義」をそろえる
- ●共通のこだわりを探し出す
- 2-4 ヴィジョンのつくり方
- ●現実から離れて「大きな絵」を描く
- ●組織や市場における位置づけが大切
- ●面白いかどうか、それが問題だ
- ●“近くて遠い人”がリトマス試験紙になる
- 2-5 ミッションのつくり方
- ●具体的に数字で設定する
- ●ミッションを分解して道筋にする
- ●ヴィジョンとミッションのしびれるカクテル
- 2-6 プロジェクトをデザイするための3つの心得
- (1)「チームのデザイン」に取り組む前に
- ・好き嫌いに流されない
- ・やりやすさだけでなく、挑戦を共有する
- (2)「オーダーのデザイン」に取り組む前に
- ・「重要な情報」こそ外部と共有する
- ・与件を要件として整理する
- (3)「マネーのデザイン」に取り組む前に
- ・クリエイティブを給与で換算しない
- ・時間はクリエイターの重要な資源
- 3章 チームをデザインする -どう編成し、どう運営するか?
- 3-1 「チーム編成」をデザインする(組織内)
- (1)チームのサイズは小さく始める
- (2)多様なチームメンバー
- (3)未経験者の混在
- 3-2 組織の体制とチームの関係づくり
- ●指示系統の外側に置く
- ●最終決裁者との距離を縮める
- ●よき理解者を増やしていく
- 3-3 「チーム運営」をデザインする
- (1)ファシリテーション
- (2)マルチリーダーシップ
- (3)コラボレーション環境
- 3-4 行き詰まりを解消するヒント
- (1)組織内外の視点や評価を活用する
- (2)「証拠書類」を共有する
- (3)賽を投げられた状態をつくる
- 4章 オーダーをデザインする -何を、誰に、どのように依頼するのか?
- 4-1 クリエイターに何を求めるのか
- (1)インハウスの領域も対象にする
- (2)見えないもの・測れないものも対象にする
- (3)経験のない業務も対象にする
- ●異なるジャンルの成功例から探る
- 4-2 イニシャルか、ランニングか
- 4-3 どの「範囲」を頼むのか
- (1)業務内容のうち、どの範囲か
- ・組織とクリエイターの線引き
- ・プロセスでの線引き
- ・予算での線引き
- (2)時間軸のうち、どの範囲か
- 4-4 誰に頼むのか
- (1)パートナーの探し方
- ・専門誌やクリエイターファイルなどのメディアから探し出す
- ・ビジネスの成功事例、ヒット作から探し出す
- ・複数候補へのヒアリングから探し出す
- ・著名なクリエイターから探し出す
- ・コンペで探し出す
- (2)依頼先の確定に向けて
- 4-5 どのように頼むのか
- 〔1〕モチベーションの視点
- ・クリエイターの次の挑戦として
- ・クリエイター間のコラボレーションとして
- ・ソーシャルな活動として
- 〔2〕インセンティブの視点
- ・事業性に関わる情報の共有
- ・長期的なブランディングのなかでの共有
- ・成果を共有する契約
- ・リスクの共有を前提とするオプション
- 4-6 依頼におけるプロジェクトデザイナーの役割
- 5章 マネーのデザイン -お金の稼ぎ方、かけ方
- 5-1 「お金の稼ぎ方」を広げよう
- (1)「パーソナライズ」に向き合う
- (2)「リスク」に向き合う
- (3)稼ぐ/稼がない、その線引きを疑う
- ・稼がない「公共」が変わってきた
- ・地域のプレイヤーが台頭してきた
- ・そして稼がない「者」が稼ぐ時代に
- 5-2 「お金のかけ方」のデザイン
- (1)予算配分の点検
- (2)アウトプットの評価の点検
- (3)コミュニケーションロスの点検
- 5-3 そして、まだ物語は続く