社員2人が支持地盤のデータを転用

 旭化成は、これまでの調査で、原因として考えられているのは旭化成建材の社員2人が杭打ちの際、地盤調査で支持地盤の位置の測定に失敗し、手元にあった別のデータを転用した可能性が高いと推測している。

住民が渡り廊下の手すりにずれがあると指摘したことから、傾斜が判明した(写真:日経アーキテクチュア)
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 傾斜したマンションでは、ロッドで掘削し、支持地盤に根固め液を注入して鋼製羽根付きの既成杭を埋没させて根固め部に杭先端を定着させる鋼製羽根付き杭工法を採用した。各杭を打つ際に、掘削に利用するロッドの先端で土の抵抗値を測定し、支持地盤の位置を特定する。

 ところが旭化成建材の2人の社員がデータを紙に出力する際、重機に設置したプリンターが誤動作したり、インクの不具合があったりしたため、適切に測定データを記録できない杭があった。そこで別の杭のデータを転用するなどの不正があった。2人の社員がなぜ、こうした不正を行ったかは現在、調査中だ。

 販売主の三井不動産レジデンシャルは、支持地盤に到達していない杭の補強や、傾いた棟の建て替えなど様々な可能性を踏まえ、是正の内容を検討している。10月9日から住民説明会を開催。杭調査の結果など状況の説明に対応している。

 三井不動産レジデンシャルなどから報告を受けた横浜市は同社などに、虚偽データの使用とマンションの傾斜の因果関係やマンションの構造耐力の確認などの調査を求めている。仮にマンションの構造耐力に建築基準法違反を確認できなくても、行政指導で事態の改善を求めていく考えだ。