東海旅客鉄道(JR東海)代表取締役社長の柘植康英氏は、訪日観光のセミナー・展示会「インバウンド・ジャパン2016」(7月20~22日、会場:東京ビッグサイト、主催:日経BP社、共催:ジャパンショッピングツーリズム協会)で講演し、同社のインバウンドの取り組みやリニア中央新幹線への期待などについて語った。

講演するJR東海の柘植康英社長。「団塊世代の旅行需要や訪日観光客の増加を背景に、東海道新幹線はこの5~6年、毎年乗客が増えている」という(写真:赤坂 麻実)
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 同社の管内には京都や奈良、伊勢志摩、木曽路、熊野古道、白川郷など、人気の観光地が多く、同社としてもその魅力の発信に力を入れている。例えば、1993年から続く「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンで京都の寺社仏閣の魅力を伝えたり、首都圏を中心に1991年から「奈良学文化講座」を開いたりしてきた。

 JR東海の管内で、近年特に人気が高まっているのが飛騨高山だ。人口約9万人の高山市には国内外から年間約434万人(2015年)もの観光客が訪れる。伝統的な街並みが欧米人にも人気で、フランスの旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でも3つ星を獲得している。名古屋・大阪~高山・富山を結ぶJR東海の「特急ワイドビューひだ」は、乗客の2~3割が外国人という。

 JR東海は近年、こうした外国人観光客の取り込みにも注力している。2011年から、JTBグローバルマーケティング&トラベルと共同で、ホテルと新幹線のパッケージ商品「FLEX JAPAN」を販売。この商品は、6カ国語対応のホームページや海外の旅行会社で予約できる。また、2014年には、英語と中国語に対応した観光案内サイト「Japan Highlights Travel」を開設した。

 さらに、人気の観光エリアの二次交通をJR東海の鉄道切符とセットにしたエリア周遊用のフリーパスを、韓国や台湾の旅行見本市に出品するなど、海外プロモーションも展開している。こうした取り組みが効果を上げ、JR東海の外国人向け商品の売り上げは「ここ数年で4~5割の伸び率になっている」という。

JR東海は飛騨高山を含む高山本線・中央本線エリアの旅行情報サイト「Shupo」(シュポ)を運営(写真:赤坂 麻実)
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