2014年8月に都市再生特別措置法等の一部を改正する法律が施行され、市町村は立地適正化計画を作成できるようになった。 立地適正化計画は、これまでの都市計画法を中心とした土地利用規制などに加えて、居住機能や都市機能を誘導することでコンパクトシティの実現を目指すものだ。

 昨年12月31日時点で、220の自治体が立地適正化計画の作成に取り組んでいる。今年2月15日には、大阪府箕面市が最初に計画を公表した。続いて熊本市も4月1日に計画を公表した。地震発生の2週間前のことだ(熊本市の立地適正化計画はこちら)。

熊本市立地適正化計画の居住誘導区域の位置図(資料:熊本市)
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 立地適正化計画では、居住を誘導すべき区域(居住誘導区域)や、医療施設・福祉施設・商業施設などの都市機能増進施設を誘導すべき区域(都市機能誘導区域)を設定する。

 熊本市は、「居住誘導区域に災害リスクが高い地域は含めない」としている。市が考える災害リスクが高い地域とは以下のようなエリアだ。

  • ○土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律に規定する土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域
  • ○地すべり等防止法に規定する地すべり防止区域
  • ○急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に規定する急傾斜地崩壊危険区域
  • ○災害危険区域(居住の用に供する建築物の建築が禁止されている区域)
  • ○その他、津波災害警戒区域等、都市計画運用指針において災害リスクが高い地域として示される区域については、その区域指定の都度、居住誘導区域からの除外を検討する

 災害危険区域は、建築基準法39条を根拠として、自治体が条例に基づき指定することができる。災害危険区域内では、建築物の建築の禁止あるいは制限を行うことが可能で、条例によってそれらの内容を定める。例えば、風水害・津波・高潮害を軽減するために区域内の建物の用途、地盤高、床高制限、構造を規制できる。

 熊本市の立地適正化計画では、残念ながら活断層が引き起こす地震を災害リスクと認識していなかった。

 ただ、これは熊本市に限ったことではない。日本には活断層が2000以上あると言われているが、その直上および周辺で土地利用や建築を規制する自治体は極めて少ないのが実情だ。

 熊本地震は、活断層の災害リスクを我々にまざまざと見せつけた。今後、各自治体が作成する立地適正化計画において、居住誘導区域に含めない災害リスクの高い地域として、活断層の近傍を加えることも積極的に検討すべきではないだろうか。