大規模火災が国内外で相次いでいる。直近では英国・ロンドン市で現地時間6月14日未明に発生した高層住宅の火災。炎が外壁のほぼ全体を覆った様子は、日本の多くの建築・防災関係者にとって“常識”を超える光景だった。国内でも埼玉県三芳町で2月16日、オフィス用品販売大手のアスクルが運営する大型物流倉庫で出火。鎮火までに12日間を要した。これらの火災に共通点はあるのか、防火に関する既存の考え方に死角はないか──。防火対策の専門家などに話を聞き、炎の死角から命を守るための建築的視点を探った。

多数の死者・行方不明者を出した英国・ロンドン市の高層公営住宅「グレンフェル・タワー」。24階建てで、居住フロアの4階(地上8階に相当)が火元とみられている。竣工は1974年。2016年5月に、外断熱方式を採用したうえで金属系パネルの外装材を取り付ける改修工事を実施していた。日本の専門家からは、急激な勢いで上層階まで及んだ延焼の助長要因として、既存建物の内外形状のほか、改修時に採用した断熱材や外装材を挙げる声が多い(写真:ロイター/アフロ)
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出典:2017年7月27日 24~25 特集 炎の死角
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