ある夏の日、《みどり》と《一平太》は自分たちが1年前に手がけた二世帯住宅を訪れた。その家の顧客OB《平野マミさん》が、新居を計画中の友人《香川梨花さん》を引き合わせてくれるというのだった。ところが、2階リビングで歓談中に、階下に住むマミさんの《義父(夫の父)》が吸ったタバコのにおいが2階に漏れて大騒ぎ。アレルギー体質の見込み客=梨花さんを怒らせてしまった。しかも、その義父が怒鳴り込んできたのだ。「この家は2階の音が筒抜けじゃないか!」と。住宅の見えない敵――音とにおい。「素人には、とてもじゃないが手に負えない!」一平太とみどりは、《水道橋博士》から紹介された住環境分野の専門家《曽野道大家さん》とクレームの原因を調査するために再び平野邸を訪れたのだが、音とにおいの問題解決は一筋縄ではいかないことがわかってきた……。

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この作品は取材と調査にもとづくフィクションです(初出:日経ホームビルダー 2006年10月号)