BELS(ベルス)が徐々に浸透してきた。2016年4月までに評価書を取得した建物は、住宅159件、非住宅1件となっている。前回の【戸建て・共同住宅編】に続き、非住宅建築物において、外皮性能や設備仕様のグレードとBELS評価の関係を検証する。今回のモデルケースは超高層オフィスビルだ。

 非住宅のBELS評価の手法は、基本的には住宅と同じだ。外皮性能(外皮平均熱貫流率UA値【W/m2・K】、平均日射熱取得率ηA値)を求めた後に、建築研究所のwebプログラムに設備仕様などを入力して一次エネルギー消費量を算出し、基準の値と比べた削減率で評価する。

 ここでは、延べ面積12万m2の超高層オフィスビルをモデルケースとする。「よくある『省エネビル』でどの程度の星マークが取得できるのかを検証するために、汎用的な設備のなかから省エネルギー性能の高いシステムを選んだ」。モデルケースを作成した日本設計執行役員環境・設備設計群長の柳井崇さんはこう説明する。

モデルケースの超高層オフィスビルの建築概要(資料:日本設計)
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 一般的なオフィスビルは一次エネルギー消費量の約半分を空調のエネルギーが占め、なかでも搬送エネルギーの割合が多い。その次に多いのが照明で、換気や給湯、昇降機は少なめだ。

 このモデルケースでは、最も多い空調のエネルギーを減らすために、VAV(Variable Air Volume)という方式の空調機を採用した。この方式は、センサーで各スペースの室温を計測したうえで、温度情報を基にモーターを制御し、室温に応じて風量を増減させて空調機の負担を軽減するものだ。

 さらにここでは、空調機の熱源にターボ式冷凍機を採用した。ターボ式冷凍機は高効率な割に機器がコンパクトなので、熱源を2台に分割しやすく、ポンプも分けられる。分割することで、低負荷での運転時間が長くなり、効率の向上に寄与する。

モデルケースの建築・設備設計仕様(外皮、空調)(資料:日本設計)
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モデルケースの建築・設備設計仕様(換気、照明、給湯、昇降機)(資料:日本設計)
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