省エネ計算の費用も補助

 次に、16年度から新しく始まった「既存建築物省エネ化推進事業」における省エネ診断・表示に係る支援。住宅を含む延べ面積300m2以上の既存建築物が対象となる。「申請者は建物所有者を想定している」と川田さんは説明する。

 省エネ診断については、エネルギー使用量の実績値ではなく、設計図書を基にした一次エネルギー消費量の計算費用が対象となる。

 表示については、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づく第三者認証を受けることが条件となる。BELSのほか、既存建築物が省エネ基準に適合していることを所管行政庁が認定する「eマーク」も対象となる。

 一次エネルギー消費量などの計算に要する費用と、表示プレートの設置費用などのうち、掛かった費用の3分の1が補助対象となる。「建築物省エネ法7条に基づく省エネ性能表示のガイドラインのルールさえ守っていれば、表示プレートなどは申請者が独自に作成したものでも、住宅性能評価・表示協会による規格品でも構わない」と川田さんは言う。

住宅性能評価・表示協会による規格品のプレートの例(資料:住宅性能評価・表示協会)
[画像のクリックで拡大表示]

 さらに「波及効果の高い取り組み」については、全額を補助する。「上限枠を設定するかは今後の議論になる。募集の状況や提案の内容次第だが、どれだけの提案を採択できるかは現段階では未定だ」(川田さん)

 「波及効果の高い取り組み」として想定しているのは、広告チラシやフロアマップへの表示ラベルの掲載、「エコストアガイドマップ」の作成や「エコストア探検ツアー」といった表示ツールと企画がセットになったものなどだ。多くの人が表示ラベルを目にする効果を求めている。

 「印刷代なども補助対象となるが、広告ではマンションやテナントビルのピーアール要素なども含まれるため、どこまで補助の対象とするのかは個別に判断することになる」と川田さんは説明する。

 「波及効果の高い取り組み」の選定に際しては、専門家に意見を聞いて決定する。既存建築物省エネ化推進事業の募集開始は5月下旬を目指しており、「波及効果の高い取り組み」に関しては、募集開始から一定期間ごとに区切って、その都度補助対象を選定する予定だ。

既存建築物省エネ化推進事業で「波及効果の高い取り組み」として想定している表示の例(資料:国土交通省)
[画像のクリックで拡大表示]