標準入力法とモデル建物法

 非住宅の評価手法は、大きくは詳細法(標準入力法)と簡略法(モデル建物法) の2つに分かれる。標準入力法は、建築研究所のホームページで公開している「エネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版)」に外皮や設備の仕様を入力し、一次エネルギー消費量を算定する。このプログラムを組み込んだ市販のソフトを用いてもよい。

建築研究所のホームページ。非住宅建築物に関する評価手法は、大きくは詳細法(標準入力法)と簡略法(モデル建物法) の2つに分かれる(資料:建築研究所)
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 標準入力法の評価では、建物形状や室用途構成、各室の設備などの詳細な情報を入力しなくてはならない。そのため設備設計者などの専門家の関与が必要となり、作業時間もかかるが、精度の高い評価が可能になる。

 モデル建物法は、実際の建物ではなく、建物形状や室用途構成をモデル化した建物に対し、評価対象となる建築物の主要な外皮と設備の仕様を当てはめて一次エネルギー消費量を算定する。評価に際しては、建築研究所のホームページで公開している「モデル建物法入力支援ツール」を用いる。

 モデル建物法は建物形状や室用途構成に関する情報の入力が不要なので、評価の手間を大幅に低減できる。その代わり、一般的には標準入力法と比べて結果は安全側となり、BELS評価の星マークを増やしたい場合は不利に働く。

 非住宅の場合、省エネ法による届け出が求められる床面積300m2以上の建築物がほとんどとなる。届け出の計算書や図面がBELSと共通するのに加え、計画に設備設計者が関わるケースも多いので、BELS申請のハードルは決して高くはない。「届け出義務が課されない300m2未満では、有料の申請代行サービスを使う方法もある」と齋藤さんはアドバイスする。

 住宅・非住宅とも評価に用いる建築研究所のWebプログラムには、平成25年(2013年)省エネルギー基準に準拠したものと、平成28年(2016年)省エネルギー基準に準拠したものがある。2017年3月末までは2013年版で申請可能だが、2016年版のほうが評価対象の省エネ設備が増えるなど、若干評価が有利になる。2016年版プログラムの入力マニュアル(解説書)は6月頃に頒布される予定だ。