研究施設で進む実証実験

 2015年10月から公開されている研究施設「The Lowline Lab」は敷地から数ブロック先のエリアにあり、実際に提案している昼光システムをテストしている。このシステムは、太陽光の集光、伝達、そして配光という、大きく3つの要素で構成される。

 まず、ヘリオスタットと呼ぶ太陽を追尾するミラー装置が、一定箇所に置かれた集光装置に太陽光を反射する。放物面反射鏡の集光装置では、熱を減少させるため赤外線エネルギーを取り除き、効率的な光の伝達のために太陽光を通常の30倍ともなる光度に集束する。次に平行ビームとなった光を、空気中のほこりや微粒子から光が回折または拡散されることを防ぐ筒を介して集光装置から伝達する。

 最後に放光部のレンズを通って広角にされた光は、放物型天井とその二次的な反射鏡によって、下部の植物の育成に必要な全波長の光をもたらす。現場での計測では、反射された太陽光でも各種植物の育成に必要な最低照度をおよそ20%上回る結果が出ている。

屋上に設置したヘリオスタット(右奥)と集光装置(左手前)(写真:Arup)
[画像のクリックで拡大表示]
集束された太陽光が、筒を介して天井の放光部へと伝達される(写真:Arup)
[画像のクリックで拡大表示]
現在公開されているThe Lowline Labの様子。光がより必要な植物は上部に、陰性に強い植物は下部と、その耐性によって配置が工夫されている(写真:Arup)
[画像のクリックで拡大表示]