いかに光を取り入れるか

 地下空間に年間を通して緑豊かな庭園を創り出すためには、自然光の導入、特に植物の育成に適した光の波長を取り入れることが不可欠な条件となった。しかも、その光は地下にあっても人々が快適に過ごし、少し異質だが思いもよらないような魅力的な環境を提供することが求められる。

 地上に設けられる開口部が限られているため、スカイライトのような一般的な昼光システムが使用できない。そこで、解決策として直射日光を光源として扱うことになった。

 直射日光は、拡散された天空光に比べ、およそ10倍の光度を持つとされる。しかし、時間や大気の状況によって変動も大きく、採光利用するには多くの課題がある。

 まず、直射日光を常時取り入れるには、地球の回転によって刻々と位置を変える太陽を追尾する装置が必要になる。さらに雲量などの天候の変化は、直射日光と天空光の割合と明るさに影響を与える。また、直射日光の長所となる強い光度は、逆に不快なグレアを伴うことにもなり、周辺の光環境とのバランスを取る必要がある。これらの課題を念頭において、太陽光を反射する様々な昼光システムを検証した。

The Lowline Labで実装しているシステム概略図。図中の(1)はヘリオスタット (2)は集光装置 (3)は光筒 (4)は放光部を指す(資料:Lowline)
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