【開発】豊島区役所跡地に7万m2超の複合施設、東京建物など

2015/03/23

日経不動産マーケット情報

オフィス・商業棟(左)とホール棟(右)の完成予想図。豊島区は区独自の事業として、ホール棟に隣接する現区民センターの建て替えも計画している(資料:東京建物)
1961年に竣工した豊島区の現庁舎。2011年に撮影(写真:日経アーキテクチュア)

 豊島区は3月20日、2015年5月に移転する区庁舎の跡地再開発事業で、東京建物とサンケイビル、鹿島で構成するグループを優先交渉権者に選んだと発表した。豊島区東池袋1丁目にある築50年超の現庁舎の敷地に地上30階地下2階建て、延べ床面積約6万4000m2のオフィス・商業棟を、隣接する豊島公会堂と分庁舎の敷地に地上7階地下1階建て、延べ床面積約1万m2のホール棟をそれぞれ建設する。

 2015年4月に基本協定を締結した後、2016年11月に着工する。オフィス・商業棟は2020年3月、ホール棟は2019年3月の竣工を予定している。オフィス・商業棟は高さ約146m、ホール棟は同約40mとする。ホール棟の高さを周辺の建物とそろえ、余った容積をオフィス・商業棟に移転する計画だ。設計・施工は鹿島が担う。

191億円の定期借地料を一括で区に支払う

 敷地面積は現庁舎が3637m2、公会堂が3049m2となっている。豊島区が70年間(解体や建築などの工事期間を含めると76年6カ月)の定期借地権を設定して、東京建物とサンケイビルが借り受ける。両社は2016年3月、定期借地料として191億円を区に一括で支払う。オフィス・商業棟は両社が運営、維持管理する。ホール棟の一部は、竣工後に豊島区が区分所有権を取得する。ホール棟の敷地は、持分に応じて官民が準共有することになりそうだ。

 東京建物などが提案した再開発コンセプトは「誰もが輝く劇場都市」。オフィス・商業棟は地上1階~2階が飲食・物販店、3階~6階が9スクリーン、計1600席のシネマコンプレックス、7階がスカイロビーとカンファレンスホール、8階以上がオフィスとなる。また、ホール棟の上層部に1300席の大ホール、下層部に階段状になった半屋外劇場や、ボーカロイド(音声合成技術)によるライブが楽しめる世界初の「ボカロ劇場」などを設ける。区はホール棟のうち、大ホール部分を区分所有する計画だ。

 豊島区は現庁舎と公会堂の跡地活用について、公募型プロポーザルを実施した。2014年5月までに8グループから参加表明があったという。東京建物などのグループの提案は、定期借地料の金額面に加え、フジサンケイグループ各社による劇場などのにぎわい創出に向けた支援策が評価された。全体で年間650万人の集客を見込む。

「財政負担なしで移転可能」

 豊島区は5月7日、現庁舎から南に700mほど離れた敷地に官民で合築した地上49階地下3階建ての複合施設、としまエコミューゼタウンへ区庁舎を移転する。区立小学校などの跡地を再開発したプロジェクトで、下層部が区庁舎、上層部は東京建物などが手がける432戸の分譲マンション、ブリリアタワー池袋となる。

 新庁舎の延べ床面積は約2万5500m2を確保する。そのうち約1万700m2は、区が権利床として無償で取得。残りの約1万4800m2は保留床を購入する。区は現庁舎と公会堂の定期借地料として受け取る191億円を、約140億円となる保留床の購入費に充てる方針だ。「財政負担なしで新庁舎への移転が可能になる」と区は説明している。これとは別に、新ホール棟内に設ける大ホール部分の区分所有権を区が取得するために、50億円強が掛かるとみられる。

豊島区庁舎整備の事業スキーム(資料:豊島区)

 全国各地の自治体では、高度経済成長期に建てられた公共施設の老朽化が問題となっている。財政難のなかで、更新費用を捻出するのが難しくなっているからだ。そこで、都心部の自治体を中心に公有地を民間に貸し付け、官民連携で建て替えなどに取り組むケースが出てきている。

 例えば、渋谷区は区庁舎と渋谷公会堂がある区有地の一部に、70年間の定期借地権を設定。三井不動産などで構成するグループが分譲マンションを建設するのを認めることと引き換えに、庁舎と公会堂を無償で建て替えてもらう計画を進めている。


[開発の概要]
開発名:豊島区現庁舎地活用事業(オフィス・商業棟)
所在地:豊島区東池袋1-18-1(住居表示)
最寄り駅:JR・地下鉄池袋駅徒歩3分
面積:土地3637.15m2(定期借地)、延べ床約6万4000m2
階数(地上/地下):30/2
用途:事務所、店舗、映画館
用途地域:商業
容積率:800%(法定)
事業主:東京建物、サンケイビル
設計者:鹿島
施工者:鹿島
工期:2016年11月~2020年3月(予定)


開発名:豊島区現庁舎地活用事業(ホール棟)
所在地:豊島区東池袋1-19-1(住居表示)
最寄り駅:JR・地下鉄池袋駅徒歩3分
面積:土地3049.62m2(定期借地)、延べ床約1万m2
階数(地上/地下):7/1
用途:劇場、店舗
用途地域:商業
容積率:800%(法定)
事業主:東京建物、サンケイビル
設計者:鹿島
施工者:鹿島
工期:2016年11月~2019年3月(予定)

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