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【開発】窓が開く超高層オフィス、JR神田万世橋ビルが完成

2013/02/07

秋葉原駅方面から見たJR神田万世橋ビル。赤レンガとの調和を意識し、テラコッタタイルを外装に用いた
オフィスフロア内の開く窓。落下防止と雨の吹き込み防止のために、窓の外に植栽帯を設けた。その外側の落下防止壁は視界を遮らないガラス製だ。手前にも植栽部分への立入防止柵がある
淡路町駅方面から見たビルの外観。南西面にコアを配置したため、開口部の少ない白いビルに見える

 東日本旅客鉄道が千代田区神田須田町の交通博物館跡地で開発していた環境配慮型のオフィスビル、JR神田万世橋ビルが2013年1月に竣工した。秋葉原駅のほか、神田駅、淡路町駅、小川町駅など11駅が徒歩10分圏内にあり、10路線が利用できる。地上20階地下2階建ての制震構造で、延べ床面積2万8452m2、賃貸可能床面積約1万5500m2。オフィスフロア内に窓の開くエリアを設け、自然の風を採り入れられる。メタウォーターが10フロアを賃借するなど、2月上旬時点で全フロアのテナントが決まっている。

 ビルは5階~20階がオフィス、3階~4階が会議室やスタジオ、キッチンルームなどを備えたコンファレンス施設となる。ほかに、保育施設も備えている。

 見どころはいくつもあるが、オフィス内に窓の開くエリアを設けたことが、最大の特徴といえる。ウインターガーデンと呼ぶ空間をフロアの両側に設け、4カ所の窓が開くようになっている。リフレッシュルームや会議室、役員室などの用途を想定した。向かい合った北東面と南西面の窓を開けると、心地よい風がフロア内を吹き抜ける。通常は人が通れない幅にしか開かないが、ストッパーの鍵を開けると窓が全開できる。落下や雨の吹き込みを防ぐため、この窓の外側には植栽帯を設けた。

 環境面への配慮は建物外観にも表れている。淡路町駅からのアプローチと、秋葉原駅からのアプローチとでは、同じビルとは思えない印象だ。淡路町側からは、開口部の少ない白いビルに見える。強い日射を浴びる南西面に階段やエレベーターなどからなるコアを配置し、空調負荷を軽減する。

 貸し室は北東側に配置した。秋葉原側からは、この貸し室側を見ることになる。ガラスの外装を縁取る茶褐色のテラコッタ(素焼きのタイル)がアクセントだ。この地にはその昔、東京駅の建築家として知られる辰野金吾氏が設計したれんが造りの万世橋駅舎が立っていた。今も残る高架橋が当時の雰囲気を伝えている。テラコッタは、れんがのイメージを再現したものだ。

 オフィスワーカーの自転車通勤を奨励するために、駐輪場とシャワールームを地下に設けたことも特徴だ。シャワールームは5ブースあり、徹夜明けのオフィスワーカーにも利用されているという。地下の駐車場には、電気自動車用の充電設備も備えた。

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