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【注目環境ビル】(2)呼吸する外皮、飯野ビルディング

2011/07/21

テナントの電気代も安くなる

 ビルの環境計画書を細かく見ていくと、設備の省エネ効率を表すERR(イーアールアール)が53%となっている。東京都は35%以上を「特に優れた取り組み」と評価している。飯野ビルのERRは、この基準値を大きく上回る。データが公表されている200棟以上のビルのなかでトップ3に入る水準だ。

 特に照明の省エネ効果が大きい。オフィスフロアの照明約1万5000台をすべてLED照明にした。LED特有のぎらつきを感じさせない、自然光に近い照明装置だ。東芝ライテックが開発した製品を採用した。試算では、従来の蛍光灯に比べて消費エネルギーを47%削減できる。さらに、除湿機能を有するデシカント空調機の導入で、空調エネルギーを10%削減する。

 建物の耐震性は、100年間の使用を想定して通常の超高層ビルよりも25%ほど高くした。オフィスフロアのバルコニーに設備増設用のスペースを設けるなど、ニーズの変化に備える。事業主の飯野海運は、こうした100年仕様と環境配慮の設計によって、ライフサイクルコストが抑えられると見込んだ。テナントが負担する電気代は、一般のビルの約半分になると想定している。その分、一般のハイクラスオフィスビルに比べて建設費は高くなる。費用は公表していないが、上乗せ分は5~10%とみられる。

基準階の平面(資料:飯野海運、竹中工務店)

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<ビルの概要>
名称:飯野ビルディング(IINO BUILDING)
所在地:千代田区内幸町2-1-1(住居表示)
最寄り駅:地下鉄「霞ケ関駅」直結(2期工事完了時)
面積:土地8027.24m2、延べ床10万3852.46m2、賃貸可能床4万9455m2
構造:SRC、RC、S(制震)
階数(地上/地下):27/5
駐車場:約230台
事業主:飯野海運
設計・設計監理:竹中工務店
設計監修・工事監理:日建設計
施工:竹中工務店
運営:飯野海運、イイノ・ビルテック
工期:2009年3月~2011年6月(1期、オフィス、ホール、商業施設など)、~2014年11月(2期、商業施設、地下連絡通路、広場など)
総事業費:約460億円

PAL低減率:32.47%、ERR:53.37%
運用段階の1m2あたりエネルギー消費量:932.20MJ/m2・年
総緑化面積の敷地面積に対する割合:24.38%
CASBEE:Sランク(環境効率を示すBEE値は5.6)→認証取得予定
LEED:飯野海運の入居フロアで内装用のLEED-CIの取得を計画

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編集:日経不動産マーケット情報/ケンプラッツ
2011年7月21日発行

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菅 健彦日経不動産マーケット情報

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