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【注目環境ビル】(2)呼吸する外皮、飯野ビルディング

2011/07/21

エネルギー消費量が半分

 千代田区内幸町の一等地に建つこのビルは、眺望に恵まれている。通りを渡れば日比谷公園だ。南側には東京タワーが見える。建物の断熱性能を高めるには窓の面積を小さくする手もあるが、そうなると景色という財産が十分に生かせない。飯野ビルは建物の4面をダブルスキンで覆った。

 80cmの奥行きには、機能上の理由に加えて運用上の意味もある。この奥行きがあれば、中に入ってガラスの清掃作業ができる。奥行きが十分に確保できないダブルスキンの場合は、執務室からの作業となり、結果的にテナントのレイアウトに支障を与えてしまう。

奥行き80cmのダブルスキン

 環境性能の高さは数字にも表れている。ビル運用段階における1m2あたりの年間エネルギー消費量は932MJ(メガジュール)。このクラスのオフィスビルは1900MJが相場だ。東京都の公表資料に基づく編集部の調査では、テナントビルよりも省エネの取り組みが容易な自社使用の大規模オフィスビルが、ハード面とソフト面で相当の努力をして達成できる値が約1100MJだった。飯野ビルの目標が、どれほど難易度の高い値か、おわかりいただけるだろう。

菅 健彦日経不動産マーケット情報

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