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【MIPIM】西郷真理子氏の市街地再生計画が日本初のアワード受賞

2011/03/25

西郷真理子氏(左から2人目。写真:MIPIM)
西郷真理子氏(左から2人目。写真:MIPIM)
Sustainable Urban Redevelopmentのイメージパース(資料:MIPIM)
Sustainable Urban Redevelopmentのイメージパース(資料:MIPIM)

 展示された開発プロジェクトの中から、最も高い評価を受けたものに授与されるMIPIMアワード。2011年は都市計画プランナーの西郷真理子氏と東京大学による地方都市再生プロジェクト「Sustainable Urban Redevelopment」が、未完成の開発プロジェクトを対象としたfutura Projects(未来的プロジェクト)部門で受賞した。今年で21回目を迎えるMIPIMアワードだが、日本のプロジェクトがこのカンヌで受賞するのは初めてとなった。

 同アワードでは機関投資家が参加する審査委員会が、発注者側の視点で開発プロジェクトを評価する。設計の巧拙だけでなく、地域社会への影響や長期的な投資価値も考慮している。今年は33カ国から113件の応募があり、6人の審査員と1万人以上の来場者投票で選考した。

 まちづくりカンパニー・シープネットワーク代表取締役、東京大学まちづくり大学院非常勤講師を務める西郷氏は、郊外型ショッピングセンターとの競争や商店主の高齢化問題を抱える地方商店街の活性化に長年取り組んできた。日経WOMANのウーマン・オブ・ザ・イヤー2010にも選ばれている。今回西郷氏が発表したのは日本の5都市にまたがるプロジェクト。いずれも歴史的な街並みを生かしながら、地権者である商店主たちを計画の主役に据えた丁寧な合意形成を通じて、にぎわいを取り戻していく取り組みだ。

 土地が高度に細分化され、ウナギの寝床状に間口の狭い建物が並ぶ商店街の再開発には困難が伴う。そこで香川県高松市の丸亀町商店街では、地権者などの出資で設立した会社が土地を借り上げ、一定のデザイン規定に従って共同ビルを建設。テナントとして再入居する商店の配置や、キーテナントの誘致を通じて街並みを再構築することを計画した。400年前から続く城下町の地割を受け継ぎながら、高さ20mのガラスアーケードを掛け、中庭を2階に設ける予定だ。先行して完成したA地区は2008年、同賞のアジア版であるMIPIMアジア・アワードの審査員特別賞を受賞している。今回は拡張エリアであるB、C地区の開発計画が賞の対象となった。

 一方、山口市では、上層階を住宅やSOHOとした商業施設と、その奥に新たに工夫を凝らした低層集合住宅を建設。滋賀県の長浜市では歴史的な町家を修復し、空地も統一したデザインの建物で埋めて街並みを再生していく。静岡県沼津市の町人町や大分市でも、同様の取り組みを進めている。これらは、日本と同様に中心市街地の衰退に頭を悩ませる欧州の人々から評価された。西郷氏は「海外へのまたとないPRとなった。これをばねに、地域の誇りと個性を生かした地域再生をさらに進めていきたい」と語る。

 MIPIMアワードのその他の受賞プロジェクトは以下の通り。

- Business centres(オフィスビル部門賞)
Cheque Dejeuner Headquarters at Carre 92(パリ郊外ジェヌヴィリエ。設計:Art & Build Architect)

- Green buildings(グリーンビル部門賞)
3M Italy Headquarters Malaspine Business Park(イタリア・ミラノ。設計:Mario Cucinella Architects)

- Hotels & tourism resorts(ホテル・ツーリズムリゾート部門賞)
審査員特別賞:The Park Hotel Hyderabad(インド・ハイデラバード。設計:Skidmore, Owings & Merrill)

- Refurbished office buildings(リノベーション・オフィス部門賞)
First Tower(パリ市ラ・デファンス地区。設計:Kohn Pedersen Fox Associates、SRA Architectes)

- Residential developments(住宅開発部門賞)
Savonnerie Heymans(ベルギー・ブリュッセル。設計:MDW Architecture)

- The best project located in the UK(イギリス賞)
W Hotel(ロンドン。設計:Jestico + Whiles)

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