最も発注したい設計事務所は日建設計、建設会社は竹中工務店─。日経アーキテクチュアが民間企業や官公庁で建物の発注業務などに携わる290人を対象にアンケート調査を実施した結果だ。職人不足で建築費が高騰するなか、多くの発注者は仕事を安心して任せられる設計者や施工者を絞り込み始めた。設計事務所と建設会社は、発注者からどのように評価されているのか、強みと弱みを分析することが欠かせない。

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上のランキングは発注者290人が採点した好感度の高い設計事務所と建設会社のトップ3。イラストの吹き出しは、アンケート調査で発注者から各社に寄せられた「発注したい理由」や「発注したくない理由」(ランキングの企業とは関係ない)。

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 受発注者の関係に変化が起こっている。大規模な建物を発注するデベロッパーが、受注者である建設会社に頭を下げたのだ。

 「建築費が20~30%上昇しており、今後の(マンションなどの)供給がかなり厳しくなっている。建設会社とは長年の信頼関係があり、激変緩和をお願いしたい」。不動産協会の木村恵司理事長(三菱地所会長)は、9月19日に開いた記者会見でこう語った。

 背景にあるのは労務費などの高騰だ。東日本大震災の復興需要によって、職人不足が顕在化。入札不調で施工者が決まらず、設計の見直しや予算の上積みで頭を抱える発注者が増えた。受注者有利の局面が訪れたかに見える。

 ところが、現実はそう単純ではない。多くの発注者が、建築費を抑えつつ建物をつくってくれる設計事務所や建設会社を厳選するようになったのだ。受注者が利益の出やすい仕事を選ぶのと同様、発注者も優れた設計者と施工者の囲い込みを始めた。

 例えば、分譲マンションなどを手掛ける三井不動産レジデンシャルは2013年4月、建設統括部を新設した(図1-1)。全国で毎年100棟ほど着工するマンションにおいて、建設会社の選定を全社で一元化して担うのが目的だ。

三井不動産レジデンシャルでは従来、設計と施工を都市開発部が個別に発注していた。4月以降は施工の発注を建設統括部に一元化した(資料:三井不動産レジデンシャルの資料をもとに日経アーキテクチュアが作成)