楽しさが欠かせない、ヒト重視の成熟社会

住宅トラックでは最後に、行政、建設会社、ITサービス事業者という異なる立場の各講演者による議論を行った。「成熟時代に支持される住宅ビジネスの姿とポイント」と題し、それぞれが挙げたキーワードをもとに、これからの家づくりのあり方を探った。(進行/安達功=日経BP社 インフラ総合研究所 所長)

「成熟時代に支持される住宅ビジネス」をテーマに議論する坂根 工博氏 国土交通省住宅局住宅政策課課長、喜久川 政樹氏 K-engine代表取締役社長兼CEO、池田 浩和氏 岡庭建設専務取締役の3氏(写真:小林靖)

安達 日本の社会は今後、本格的な成熟期を迎え、20世紀後半の「モノ重視」から「ヒト重視」の時代へと転換していくことになる。産業構造も、「需要消費型市場」から「需要創造型市場」へと一転する。そうした社会環境の変化を念頭に置いて、ここからは講演者のみなさんに「成熟時代に支持される住宅ビジネス」のキーワードを挙げてもらい、議論していきたい。

坂根さんが挙げたキーワードは「ゆっくり」。この言葉にはどのような意味が?

●転換する産業構造
「ヒト重視」の時代へと転換していくなかで、産業構造も「需要創造型市場」へと一転する

●「成熟時代に支持される住宅ビジネス」のキーワード

坂根 大きく時代が変わるなかで、これから住宅業界は試行錯誤を繰り返すだろう。そのためには、自分が何をしているのか、これからどうしていくべきなのかといったことを、ある程度の時間をかけてじっくり考えていく必要がある。新しいことを試み、市場の声を受けて考え、変えていく。腰を据えて試行錯誤プロセスに取り組み、そのプロセス自体を楽しむことが大事になるのではないか。そういう意味を込めて、「ゆっくり」というキーワードを挙げてみた。

安達 このキーワードに対して、池田さんとして思うところは?

池田 家づくりに取り組む私たちには、今後、自分の地域を知り、立ち位置を確かめ、そこでできることを楽しむ姿勢がより大切になる。加えて、大事なのはそれを継続していくことで、その意味で確かに「ゆっくり」はキーワードになると思った。