適切に管理された住宅は 性能に見合う価格で査定へ

 そのなかで、私たちが最優先課題に挙げているのが、中古住宅の査定方法の整備だ。現状の問題は、20年あまりで建物の価値がゼロになっても、住宅ローンは残ってしまうため、売りたくても売れない点にある。しかし、建物の状態に応じた価格で売買されるようになれば、次のステップに踏み込める。

 それに向けて、今、取り組んでいるのが「使用価値」による建物の評価だ。具体的には、基礎・躯体と、内外装・設備を分けて評価するシステムを構築し、性能面でも価格面でも“見える化”を図っていく。そのための指針を2014年3月にまとめ、不動産算定評価基準や、不動産会社が使う価格査定マニュアルに反映させるための議論を重ねている。この夏頃には、そのマニュアルを公表し、使ってもらえるようにしたい。

 2015年度も様々な取り組みを進めていく。例えば、中古住宅の購入とリフォームとをセットで組める住宅ローンを、住宅支援機構のフラット35の対象とし、柔軟な住み替えを促進していきたい。

 私たちが目指すのは、様々な住まい方を受け入れられる多様な選択肢がある社会だ。その実現には、国の政策だけでなく、事業者も大きな役割を担う。中古住宅流通とリフォームの市場が活性化すれば、長期のローンに縛られず、柔軟に住み替えていける社会が構築できる。結果として、愛着のこもった住宅が世代を超えて引き継がれ、少しずつ街やコミュニティが成熟していく。そんな世の中になってほしいという思いで住生活基本計画を推進しているので、みなさんにもぜひ、力を貸していただきたい。

出典:2015 Spring 特別編集版 28~29 TARGET2020 2st Stage
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