ICTを使いこなし工期・工費縮減

金井 誠氏 大林組代表取締役副社長(写真:柴仁人)

建設業が今後とも社会的な役割を果たすには、生産性向上が必須だ。ICTはそのための格好のツールとなる。ただし、ICTはあくまで手段。人や組織の技術力をいかに高めてツールを使いこなすかがカギになる。

 生産性向上なくして建設業の未来はない。

 世界の一般政府固定資本形成の推移を見ると、日本は1996年をピークに減少している。1996年の値を100とすると、2012年で50を切っている状態だ。一方でインフラの維持更新需要は高まっており、建設後50年を過ぎる社会資本が今後急速に増えていく。

●一般政府固定資本形成の推移
諸外国の値はOECD(経済協力開発機構)のナショナル・アカウントに基づく。05年の英国の値については、英国原子燃料会社の資産・債務の中央政府への承継(約145億ポンド)の影響を除いている(資料‥国土交通省)

 生産年齢人口が減っていくことも問題だ。推計では2015年の7700万人から2040年には5800万人に落ちる。建設業就業者はすでに、1997年の685万人から2013年には499万人へ27%減少している。10年先はもっと厳しくなる。

 そうなると生産性向上を図り、工期短縮・工費縮減に注力するしかない。10年先に建設業就業者数が250万人に落ち込んでも、工期を半分にすれば500万人に増えたことと同じになる。また工費を50%下げれば1兆円分で2兆円分のことができる。工期短縮は、B/C(費用便益比)や、民間であればIRR(内部収益率)を向上させる。労働時間を減らすことにもなり、労災の件数も減らせる。

 では、どのようにして生産性向上を実現するか。計画・調査設計段階での「機能化」と施工計画段階での「省力化、自動(ロボット)化」がカギになる。