地域振興は民間の“商売”力で

畠中 人口が減ると、自治体の税収も減るので、民間の力がさまざまな場面で求められるようになります。政府は2013年に定めた日本再興戦略で、PPP(官民連携)やPFI(民間資金を活用した社会資本整備)の事業規模を、今後10年間で12兆円に拡大する目標を掲げました。

野中 仙台空港や関西国際空港、愛知県道路公社が管理する有料道路など、民間の資金やノウハウを大規模な公共施設に利用しようとする例も出てきました。

三上 公共施設は建物をつくって終わりではなく、マネジメントの仕組みが重要ですよね。地方公共団体は、14年4月から総務省の要請で公共施設等総合管理計画の策定に取り組んでいますが、つい最近まで単年度計画でやっていました。

民間のエリアマネジメント団体がオープンカフェ運営などに関わるグランフロント大阪。同団体は、大阪市におけるBID(Business Improvement District、ビジネス活性化地区)の制度適用の第1号となる (写真:日経アーキテクチュア)

畠中 官が税金を投じて取り組んだ再開発は、公平性などの観点からどうしても、ビジネスとは相反するものも含まれてしまい、結果として失敗することがあるようです。官民が連携しながらも、あくまで民間が“商売”にできるようにしないと、うまく継続できません。

 目を閉じると、政府は2020年に訪日外国人旅行者数を2000万人とする目標を立てています。その対応も重要になります。

野中 外国人が増えて(2014年の訪日外国人旅行者は過去最多の1340万人)ホテルが不足しているという話ですね。

三上 特に、アジア系の観光客が利用するビジネスホテルの需要が旺盛です。事業者も都心に出店したがっていますが、建築コストも土地も高いので、なかなか出店できない状況のようです。

畠中 観光の盛り上がりは、地方創生にも効いてきそうですよね。

野中 これといって観光資源を持たない地方の街が、外国人でにぎわっていたりするんですよね。餅つきや盆踊りなど、“ベタな日本”を体験できるようにしたのがウケているとか。日本人が想像しにくいニーズがあるようです。

(写真:中村宏)

畠中 外国人の目線で、地域の資産を見直すことも必要かもしれません。建築でも、梅田スカイビルが外国人に大人気じゃないですか。

野中 あとは案内・誘導を改良すべきですね。おもてなしのしつらえは、建設業界としても考えていかないと。