石川県・白山の標高2000mの過酷な環境で進められている甚之助谷地すべり対策(現場概要は前編)。工事関係者は連日、山の上に設けた南竜事務所に泊まりこんで、山から降りずに工事を進めている。

 ただし、所長の方針で週末は必ず下山させている。飛島建設白山甚之助作業所の片貝喜久男所長は「おいしい物を食べて、ストレスを発散させてもらうためだ」と話す。山の上に常駐させてストレスがたまり、チームワークが乱れるよりはましだと考えている。

 そのため、工事関係者の毎週月曜日の 朝は2時間の登山から始まり、そして昼から工事に携わるというわけだ。まさに体力との勝負だ。

 この後編では、工事関係者が毎週登山する「通勤路」をたどりながら、現場の過酷さを写真と共に伝える。

右に見えるのが万才谷。山の向こう側に飛島建設が施工する現場がある。左に見えるコンクリートの構造物が索道設備の山麓停留所。山の上に見えるのが1号支柱。索道は非常に難施工だった(写真:日経コンストラクション)

■甚之助谷の地すべり範囲と工事位置図
飛島建設の資料と国土交通省北陸地方整備局の資料・写真をもとに日経コンストラクションが作成。白山の御前峰の標高は2702m。航空写真は石川県側の南西斜面を撮影している