越中島支線――LRT化は長期的構想

 都内で総武線につながる貨物線はもう1本ある。京葉線潮見駅の北側にある越中島貨物駅と総武線小岩駅を結ぶ越中島支線(11.7km)だ。新金貨物線と同じく総武線の貨物支線と位置付けられ、JR東日本が第一種鉄道事業者、JR貨物が第二種鉄道事業者として列車を運行する。

 亀戸駅付近と越中島貨物駅の間は単線非電化の線路で、明治通りに沿って敷かれている。この路線をDE10形ディーゼル機関車が引く貨物列車が1日数往復走っている。越中島貨物駅構内にあるJR東日本の東京レールセンターから各地へとロングレールを輸送する。

 線路の一部と明治通り沿いの都有地を活用したLRT化構想が古くから持ち上がっていた。江東区は05年のLRT基本構想策定調査報告書で長期的な構想として位置付けた。検討区間は亀戸駅から新木場駅までの約6km。LRTと貨物線で路線の共用することに加え、安全性の確保、貨物線の運行を維持しながらの工事といった課題を挙げ、運行管理や構造・工法面の検討が必要との見解を示した。

 今年3月には、新木場駅の北側を走る東京湾岸道路(国道357号)と明治通り(東京都道306号王子千住南砂町線)が交わる「夢の島交差点」の立体交差化(新木場立体)が完成。湾岸道が高架化されたことから、LRT側は平面横断の可能性も視野に入れ、道路混雑時の影響を中心に検討していく。

亀戸駅の南側へ、高架橋で総武線を越える越中島支線の線路。DE10形ディーゼル機関車が単機で越中島貨物駅方面へ走っていく(写真:大野 雅人)

江東区新砂と潮見を結ぶ砂潮橋から越中島貨物駅を眺める。駅に隣接するジェイアールバス関東東京支店から出庫するバスと、駅を出発するレール輸送列車の姿がある。奥のパラボラアンテナがある建物はスカパー東京メディアセンター(写真:大野 雅人)

越中島支線の貨物中継地点だった小名木川駅付近からレール輸送列車(返空)を見る。越中島支線も新金貨物線と同様に複線分の軌道が確保されている。写真奥に見える高架橋は首都高速7号小松川線。小名木川駅は00年に廃止となり、その跡地にセブン&アイ・ホールディングスグループの複合商業施設「アリオ北砂」が建った(写真:大野 雅人)

写真左が越中島貨物駅(東京レールセンター)、写真右が京葉線。同線の下り線から分岐するレールは、同貨物駅へと結ばれている。京葉線と越中島支線を直通する列車はないが、レールはつながっている(写真:大野 雅人)

南砂緑道公園の上を横切る越中島支線。この道には、もともと都電(城東電車)の線路が敷かれていた。この鉄製ガードの先に当時の都電で使われていた車輪がモニュメントとして置いてある(写真:大野 雅人)

京葉道路(国道14号)から越中島支線を眺める。写真右手にある小名木川駅を出発した貨物列車は、この京葉道路を越えて亀戸駅付近で総武線に合流する(写真:大野 雅人)

越中島貨物駅付近(A)を上空から見る。同駅構内に東京レールセンターがあり船でレールを搬入する。越中島貨物駅の西には豊洲ふ頭や晴海ふ頭へとのびる東京都港湾局専用線の線路が存在した。Bは東京メトロ東西線の深川車両基地で、この基地と越中島貨物駅の間にジェイアールバス関東東京支店がある。Cは京葉線潮見駅、Dは首都高9号小松川線の木場出入口(資料:国土地理院)