新金貨物線――水戸街道の立体化などに課題

 総武線小岩駅と常磐線金町駅を結ぶ新金貨物線。中川と新中川に沿って南北に敷いた8.9kmの単線電化路線だ。総武線の貨物支線という位置付けで、そのほとんどが葛飾区内を走っている。

 この路線はJR東日本が施設を保有して列車の運行も担う第一種鉄道事業者として、事業許可を受けている。日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)は運行だけを担う第二種鉄道事業者として、定期で貨物列車を走らせている。現状は単線であるが、複線分の軌道敷地が確保してあり、橋脚やガードレールにその様子を見ることができる。

 葛飾区内の旅客鉄道は常磐線、総武線、京成線、北総線など都心と千葉を東西方向に結ぶルートが多い一方、南北方向は京成金町線くらいしかない。同区では東西方向に走る鉄道を南北に結ぶ交通について検討しており、新金貨物線の旅客化をその1ルートとして位置付けている。

 ただし対応は慎重だ。新金貨物線と水戸街道(国道6号)の交差部に踏切が存在し、需要予測に基づく採算性などにも課題があることから、バス路線などで代替する案も含めて検討を重ねるというスタンスだ。

新金貨物線の中川放水路橋梁を北上する貨物列車。茨城県の鹿島方面から総武線に入り、新金貨物線を通って常磐線へと向かう。鉄橋の橋脚は複線分ある(写真:大野 雅人)

金町駅構内で待機するEF64形電気機関車。写真右手に新金貨物線と常磐線の分岐点がある。また、新小岩信号場駅には京葉臨海鉄道新小岩事業所もあり、同所員が構内作業などを担っている(写真:大野 雅人)

新小岩信号場駅を出発した貨物列車が、蔵前橋通り(東京都道315号御徒町小岩線)を跨ぐ。橋脚や架線柱も複線分の幅が確保してある(写真:大野 雅人)

新小岩駅から新小岩信号場駅を眺める。EF64形電気機関車が引くコンテナ列車や、非電化区間の越中島支線を往復したDE10形ディーゼル機関車が休む姿も見られる(写真:大野 雅人)

新金貨物線と京成線が立体交差する葛飾区高砂2丁目付近。京成線唯一の複々線区間で、交差ポイントから金町駅までは3kmほど。写真右手は大光明寺(写真:大野 雅人)

金町駅の北西を眺める。03年に閉鎖された三菱製紙中川工場などの跡地が広がり、赤レンガ倉庫の姿が見える。かつてこの工場に続く専用線の線路も存在した。この跡地に昨春、東京理科大学葛飾キャンパスが開学。再開発事業が進められ、集合住宅などが建設される予定だ(写真:大野 雅人)

常磐線の金町駅付近(A)を上空から見る。駅の北西に広がる敷地(B)は三菱製紙中川工場の跡地。葛飾区の「新宿(にいじゅく)六丁目地区まちづくり方針」に沿って住宅、商業、教育などの施設を一体的に整備する。南側から東向きでカーブして常磐線と合流する線路(C)が新金貨物線。南北にまっすぐ敷かれた線路(D)は京成金町線(資料:国土地理院)