「区役所+マンション」は全国初

 池袋駅東口の新たな核となりつつあるのが、東南約570mの東京メトロ東池袋駅周辺だ。豊島区役所の本庁舎や分譲マンションなどが入る地上49階の複合施設、としまエコミューゼタウンが整備中。自治体本庁舎と超高層マンションを一体的に開発する全国初のプロジェクトだ。正式名称が決まる前から、区役所とマンションを合体した造語「クヤクション」などと親しまれ、マンションの購入検討者から注目を集めていた。マンションは総戸数が432戸で、うち322戸が分譲された。マンション部分の名称はブリリアタワー池袋だ。

 建設地は廃止した区立小学校の跡地を利用した。庁舎は建物1階の一部と3階から9階に入る予定で、建物全体の延べ面積約9万4300m2のうち約2万5500m2を専有する。庁舎はマンションと同様、区が区分所有する形になる。1~2階には商業施設も入る。

 2010年1月に市街地再開発組合が設立、同年8月に事業計画が東京都に認可され、2011年9月に着工した。2015年3月末に竣工し、庁舎部分の内部工事を経て同年5月7日に新庁舎を開設する予定だ。

北側のサンシャイン60から見たとしまエコミューゼタウンの建設現場。既に予定の階数に到達している。写真左側(建物の東側)では都市計画道路環状5の1号線の整備も進んでいる。完成後は池袋駅前を横切る明治通りのバイパスとして機能させる(写真:赤坂 麻実)

としまエコミューゼタウンと周辺の道路や歩行者通路の整備計画(資料:豊島区)

 壁面を緑化して屋上庭園も設置する。太陽光発電システムを屋上に加えて窓や壁にも導入するなど、建物全体で地球環境に配慮した工夫を取り入れたことを「エコミューゼ」という言葉でアピールしている。

 設計は日本設計、施工は大成建設。建物外観とマンションの共用部のデザインは、隈研吾建築都市設計事務所が監修した。マンションは東京建物と首都圏不燃建築公社が販売し、2013年9月に全戸完売した。庁舎が入ることもあり建物の耐震性が官庁施設の総合耐震計画基準で最高のI類を満たしていることや、東京メトロ有楽町線の東池袋駅と地下通路で直結することなど、居住者にとっても魅力的な条件がそろった。

としまエコミューゼタウンの低層部。壁面には太陽光発電パネルや、ガラス、半透明ガラス、木目調ルーバーのパネルを配置している。現在はまだ見られないが、緑化パネルも取り入れる予定。日よけや目隠し、防風、発電などの機能を持たせ、このパネル群を「エコヴェール」と呼んでいる(写真:赤坂 麻実)

エントランスの上部の壁はエコヴェールにスリットを入れてエントランス性を強調(写真:赤坂 麻実)

としまエコミューゼタウンの西側では南池袋公園もリニューアル工事中。周辺には寺院が多く静かな雰囲気。こうした地区の個性を強めるため、周辺区道と緑地帯を計画的に整備していくという(写真:赤坂 麻実)

災害時の機能分担のイメージ。新庁舎と池袋駅の中間に位置する南池袋公園は、災害時には帰宅困難者の一時的な退避空間の役割を果たし、新庁舎の災害対策本部と連携した災害情報の伝達機能や救援物資の備蓄機能を備える(資料:豊島区)