新たな課題に対応するための制度づくりを

──防災がテーマになると活動に変化は起こりますか?

小林 災害対策についてはハード面の改善も欠かせないので、資金調達がやはり課題です。こうした活動を永続的に成り立たせるための資金を確保する仕組みが、今の日本にはありません。ですから私たちは、防災と環境を一体に扱い、新しい社会動向に対応するエリアマネジメント活動を進めることを提唱しています。「環境まちづくりフォーラム」(現「まちづくりフォーラム」)という、全国のエリアマネジメント組織が集まる催しがあります。2012年には防災と環境問題が議論の中心になり、資金確保の方策を立てること、それを裏付ける制度の構築が必要になること、なども提言しています(Dを参照)。

【D】「環境まちづくりフォーラム2012」における7つの提言
官民連携のもとでエリアマネジメントに関する課題を解決するための「環境まちづくりフォーラム2012」における提言。同フォーラムは、エリアマネジメント組織のネットワーク構築の場、また情報を共有し、意見を交わし、政策提言を行う場となっている。2014年度は「まちづくりフォーラム2014」と称して4月22日に大阪市で開催し、「大阪市エリアマネジメント活動推進条例」などを主な議題とした (資料:環境まちづくりフォーラム実行委員会)

──大阪市でBIDに類する条例が成立するなど、エリアマネジメントの役割に対する期待は高まっていると感じます。制度の構築に弾みは付きそうですか?

小林 国土交通省は、まちづくりの大きな潮流は開発からマネジメントに移行し始めていると認識しています。実はそうした動向をにらみつつ、私も関わって「エリアマネジメント法」をつくろうと検討していた時期もあるのです。現在、単独の法として成立していませんが、その際の検討内容の一部は都市再生特別措置法に反映されています。日本の実情に合ったBID制度の導入を含め、今後も行政に対して仕組みづくりを働きかけていくつもりです。