愛知県小牧市の住宅街、名鉄小牧線・味岡駅からも程近い一角。名古屋市の老舗工務店、阿部建設が6区画の戸建て住宅を建設し、「防災タウン」をうたうプロジェクトが進行中だ。住宅事業としての狙いや、防災設備面の工夫などをリポートする。

 “共助の精神”で、住民同士が災害時に防災用設備を共有する、というコンセプトが最大の特徴だ。「味岡エコタウン」と名付けられた戸建てコミュニティでは、それぞれの住宅が発電機や太陽光発電、井戸、ろ過浄水器などを分担して備え、災害でインフラが一時的に断絶した場合に水や電気を互いに融通し合う(「味岡エコタウン防災設備の仕様」を参照)。これらの設備を一戸で全て賄おうとすると500万円程度の追加コストになるという。

 阿部建設では年間建設棟数を24棟と限定し、少数精鋭で協力会社や建て主とのコミュニケーションを密に図りながら、建物の質を維持している。エコタウンとしてコミュニティ形成を図る取り組みは、この味岡で5つ目となる。

 「エコタウンは現代の長屋だと考えている。私たちからお祭やイベントなどを仕掛け、住民同士の結び付きや協調精神を築いてもらうように働き掛けている」と同社の阿部一雄社長は話す。色調をそろえたガルバリウム鋼板で全棟の外壁を統一し、阿部建設から提供する格好で植樹も施す。調和のある家並みが住民の協調性を育むと同時に、商品力の向上にも結び付くという考え方だ。

D区画のモデルハウスである「i-works 2.0」はプランや仕様を固定し、納まりなども共有してコストを低減する考え方を取る。「プロダクトに近い存在だが、同じものの繰り返しのなかでブラッシュアップを図っていく」と伊礼氏は説明する。地域による気候差の考慮、敷地によって異なる外構のデザインなどは工務店がカスタマイズする (写真:阿部建設)