(3)アフリカ諸国

 南アフリカの長期国家戦略は、「国家開発計画(NDP)2030」によって定められており、計画においてはインフラ投資の拡大が雇用創出のキーファクターとなっている。また、インフラに特化した短期計画(5年程度)の「National Infrastructure Plan」が策定されている。具体的には18の戦略プロジェクトとして地理的開発領域として、北部地域の鉱業開発、ダーバン~フリーステート~ハウテン間工業などの回廊開発、空間的開発領域として、自治体インフラ計画の統合、都市計画・公共交通計画の統合が進められている(図2)。

 「Kenya Vision 2030」は、ケニア政府の長期開発戦略であり、「世界的に競争力があり、2030年までに高い生活の質を伴う繁栄した国」を作ることを大目標に掲げ、2030年までの中所得国入りを目指している。本ビジョンに基づき、5年ごとの中期計画が策定され、第1次計画として、「Vision 2030中期計画国家変革のための戦略2008-2012:豊かなケニアのための公平な経済・社会開発加速」が策定された。「第1次中期計画 2008-2012」は終了した。ナイロビ高速鉄道やLRT計画、モンバサ港開発、ケニア~エチオピア間の経済回廊などのフラッグシップ・プロジェクトが選定、一部は既に立法化されているPPPを通じて実施されることになる。

 ナイジェリアにおいて、「Nigeria Vision20:2020」は、現在、実施履行されている唯一かつ最上位の長期的開発計画(2009~2020年)であり、セクター別開発計画などの各種計画もこれに適合するものとして策定される。また、「National Implementation Plan」は、「Vision20:2020」を実施履行するための、より具体的な戦略、政策、計画およびプログラムを規定する中期的開発計画であり、2010年から2020年までを「2010年~2013年」、「2014年~2017年」、「2018年~2020年」の3期ごとにそれぞれ採択される。

 エジプトでは、従来「第6次5カ年計画」のもとでインフラ開発が実施されてきたが、2011年の政変以降、プロジェクトの進捗などに不安定要素が存在した。このような状況に対し、計画・国際協力省は政治変動を踏まえ、2012年7月に2012年から2022年までの新たな国家開発計画マスタープランを策定した。同マスタープランにおいて、インフラ分野については都市計画など調和ある空間開発と総合的交通システムの構築という目標が掲げられている。

 アルジェリアでは現在、「公共投資新5カ年計画」(2010~2014年)が策定されている。主要な投資分野の一つは、公共事業・交通・国土整備・環境分野など基礎インフラ整備および公共サービスの改善である。特にインフラ分野においては、道路ネットワークの拡張と近代化および港湾能力の増強、鉄道ネットワークの改善、都市交通鉄道(14都市におけるトラム建設を含む)の改善および空港インフラの近代化、空間計画および環境分野、石油・天然ガス関連分野での投資計画が存在する。

(図2)アフリカ諸国
出所:外務省「国別基礎データ」。国際通貨基金(IMF)「World Economic Outlook, October 2013」
『インフラ産業 2014-2023』(日経BP社)