前原誠司国土交通相は8月20日、住宅エコポイントの期間延長・拡充について言及した。現時点では具体的な方向性は見えないが、気になるのは何をどう「拡充」するかだ。

 住宅エコポイントの最新実績を見てみよう。2010年7月末時点の発行ポイント数は前月比約118%の50億1442万ポイントだった(1ポイント=1円相当)。累計の発行ポイントは100億を突破した。7月単月で見ると、リフォームの勢いは鈍化しているが、新築の発行ポイント数は前月比約128%と好調を維持している。

住宅エコポイントの実績推移(資料:国土交通省)

 住宅エコポイント事業の総予算は1000億円であり、7月末時点での予算消化率は10%強にとどまる。だが、このまま新築住宅におけるポイント発行が増え続ければ、最終的にはかなりのポイントが発行されることになるだろう。

 そうなれば、景気対策として、そして、エコ住宅のストックを増やすという点において、一定の成果が出ることになる。ただし、民主党が政策として重視してきた住宅改修についての効果は限定的となりそうだ。住宅エコポイント制度を継続・拡充するなら、検討すべきはリフォームの拡充だろう。

 2010年7月末時点の実績を見ると、リフォームで発行された住宅エコポイントのうち、84%超が窓の断熱改修に対するポイントだった。そして、経済産業省の資料によると、窓のリフォームうち9割以上を内窓とリフォーム用ガラスが占めている。

 内窓とリフォーム用ガラスの出荷は絶好調だ。住宅エコポイントの申請が始まった2010年3月以降の前年同月比の出荷量を見ると、内窓が300%前後、リフォーム用ガラスが200%以上で推移している(図)。

住宅エコポイント開始以降の内窓とリフォーム用ガラスの出荷状況(資料:経済産業省)

 確かに、住宅の断熱性能を高めるためには窓改修の効果は大きい。だが、「エコ改修は窓だけで一段落」という認識が広まってしまう懸念もある。内窓についていえば、そもそも「エコ」ではなく防音目的で取り付けている人も多いようだ。

 こうした背景を踏まえて、リフォームの住宅エコポイント拡充について、次のような2つの方向性を考えてみた。

(1)対象製品・工事の種類を増やす
 断熱性能の高いドア、遮熱塗料、節水トイレ、LED照明など省エネにつながる製品や、太陽熱温水器などエンドユーザー向けの国庫補助がない創エネ機器をポイント対象に追加する。対象範囲を広げることでエコ改修への関心を高める。

(2)既存住宅の性能向上
 全面改修については、一定の省エネ性能を達成した場合には新築同等かそれ以上のポイントを付与し、省エネ性能の高い既存住宅のストックを増やす契機とする。

 もちろん、上記の個別要素はあくまでも例示にすぎない。国には、よりユーザーが利用したくなるような既存住宅向けの拡充策を示して欲しいと思う。また、読者の方のご意見もぜひお聞きしたいと考えている。