車道を蛇行させて自動車のスピードを落とし、歩行者との共存を目指す――。オランダで「ボンエルフ」と呼ぶ歩車共存道路の概念が提唱されたのは1970年代のこと。日本でも「コミュニティー道路」の名前で、一部の住宅地や商店街などに導入されている。車中心だった道路を歩行者中心の道路に変えて、まちを活性化する試みだ。

 歩車共存道路は、歩道と車道との間にある縁石や段差をなくすなどして、歩行者が道路を快適に歩けるようにする。逆に、車のドライバーにとって運転しづらくなるような障害を設ける。例えば、道路の左右交互に植栽のプランターを置いて車道を蛇行させる方法や、路面の一部をかまぼこ状に盛り上げて段差を付ける方法などがある。

 ところが、現実はなかなか理想通りにならないものだ。筆者は先日、車だけでなく歩行者にとっても通りづらい道路を発見した。

歩道の真ん中に、電柱や街灯が立つ一の宮通り(写真:日経アーキテクチュア)

 場所は、さいたま市のJR大宮駅から徒歩数分の距離にある一の宮通り。歩行者が快適に歩けるように意図してつくったと思われる道路だが、歩道の真ん中に電柱や街灯が乱立する。その結果、車だけでなく歩行者までも蛇行して通らなければならない状態となっていた。