東京駅への延伸はあり得るか

 始発駅の立地としては東京駅が理想であるものの、建設のしやすさなど現実的な面を考慮すると品川駅が妥当――。客観的に判断すれば、必然的にこの考えに行き着く。事業費が莫大(ばくだい)である以上、JR東海としてはリスクを極力なくしたいはずだ。

 ただし、東京駅への延伸に含みを残すものと思われる。延伸が困難な線形や構造にはしないだろう。

 リニア新幹線の輸送力は、開業時に片道で1日10万人を目標としている。現状の東海道新幹線の約20万人に比べると半分程度でしかない。路線を名古屋から先、大阪に延伸するなどの際に、輸送力の増強を迫られる可能性もある。

 従来の鉄道に比べ、リニア新幹線は加減速がはるかに優れる。停止するまでの時間・距離が短いので、運行間隔を詰めるのに有利だ。仮に、1時間当たり15本、20本と高密度に運行させる場合、始発駅の容量不足が問題になる。品川駅にホームを増設するのもよいが、もう一つの始発駅として新たに東京駅を設置することも考えてよいだろう。その方が混雑を緩和できる。また、品川駅の4線のうち、外側の2線を東京駅方面に延伸すれば、上下列車が駅の手前で交差する回数を減らせ、ダイヤに余裕を持てる。

 リニア新幹線が名古屋まで開通すると、東海道新幹線の輸送力に余裕ができる。東京駅のホームにも余裕ができ、リニア新幹線のために転用することも視野に入れられる。航空路と競争する上でも有効だ。

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 長距離列車の始発駅に関する計画は、開業時のことだけでなく、その先も見据えたものにするべきだろう。利用者にとって使いやすい交通機関になるよう、関係者が知恵を出し協力し合ってほしい。