BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などのデータをプロジェクト関係者間で共有するクラウドシステムを、大手建設会社が相次いで導入している。最新のBIMモデルをリアルタイムに共有することによって、施工段階での手戻り防止や合意形成の迅速化、移動時間の削減などが可能になる。建設業にとって、BIMとクラウドの連携はこれからの本格的な生産性向上のキーポイントとなりそうだ。

 最近、インターネット上のサーバーでBIMモデルなどを共有するクラウドシステムが、大手建設会社で相次いで導入された。最新のBIMモデルをリアルタイムに情報共有することによって、さらなる生産性向上を目指す動きだ。古いバージョンの設計図による施工ミスや手戻りを防げるだけでなく、モバイル端末を使ったテレビ会議による合意形成の迅速化や、移動時間の削減といった効果にも期待が持てそうだ。

鹿島、大林組がBIMとクラウドの連携システムを発表

 鹿島は2013年6月に「Global BIM」を発表した。BIMモデルデータを社内外で共有できるクラウドシステムは世界初だという。

「Global BIM」による協働作業のイメージ(資料:鹿島)

 同社は「Global BIM」のメリットとして、プロジェクト関係者間でBIMデータの共有がスムーズに行えること、お互いの進ちょく状況を確認しタイムリーに対応できること、場所や時間に制限されずに海外のモデリング会社を活用できることなどを挙げている。

 さらに、竣工後の維持管理やリニューアルなどのファシリティマネジメント(FM)において、クラウドを介してBIMデータを活用することが可能だ。

 大林組は2013年10月に「スマートBIMクラウド」を本格稼働させている。

 スマートBIMクラウドの第一の目的は「オンデマンドでの情報取得による早期合意形成」だ。設計や施工、竣工などプロジェクトのあらゆる過程で、建物の3次元情報を、ウェブ上からいつでも、どこからでも、タブレット端末で確認できるようにする。施主の設計に対する意見なども素早く反映し、関係者間で円滑に合意形成を行うのが狙いだ。

 もう一つの大きな機能は「大量データの効率的活用による建物品質の向上」だ。社内外のプロジェクト関係者が、建物に関係する大量のデータベースを効率的に利用することで、スピーディーで正確な情報連携が行える環境が整う。

スマートBIMクラウドの構成イメージ(資料:大林組)