米国の南カリフォルニア大学では、実物の建物を施工するための3Dプリンターを開発中だ。既にコンクリート材料を積み上げて中空の壁を作る実験には成功し、開口部や床の施工には打ち込み型枠を使った独自の方法を構想。可搬式の建機イメージや施工手順も具体的に固めている。

 米国の南カリフォルニア大学ではコンクリート材料を少しずつ積み上げながら建物の躯体を作る「コンター・クラフティング(Contour Crafting)」という施工法を開発している。

コンター・クラフティングによる建物の建設イメージ(資料:南カリフォルニア大学、Berok Khoshnevis)

 一定の高さで移動するノズルから数センチメートルの厚さで生コンクリートを吹き出しながら実物大の壁を造形していく様子を映した動画は、インターネット上でも話題になっている。

コンター・クラフティングの実験機(写真:南カリフォルニア大学、Berok Khoshnevis)

コンター・クラフティングによる壁の造形。数センチずつコンクリートを積み重ねていく(写真:南カリフォルニア大学、Berok Khoshnevis)

 建物の壁の断面に沿って、1層ずつコンクリートを積み上げていく様子は、まさに3Dプリンターそのものだ。同大学では住宅を丸ごと1軒、コンター・クラフティングで建設する構想も持っており、その施工過程についても3Dアニメーションをサイト上で公開している。

 この画期的な新工法を開発しているのは南カリフォルニア大学工学部のベロック・コシュネビス(Berok Khoshnevis)教授の研究室だ。コシュネビス教授は2013年12月、米国ラスベガスで開催された「Autodesk University 2013」で「コンター・クラフティング~建設業にやってくる革命(Contour Crafting: The Upcoming Revolution in Construction)」と題して講演した。その内容を紹介しよう。

Autodesk University 2013で講演するベロック・コシュネビス教授(写真:家入龍太)