鉄之助ソリッド(アーキテック):鉄筋をしならせて干渉を解決する

 建築分野では、鉄筋コンクリートの鉄筋を1本1本図面に描くことなく、「断面リスト」で表す。そのため、建物全体の鉄筋量を算出したり、鉄筋の加工図を作成したりするのは、鉄筋工事会社の仕事だ。

 富山市にあるアーキテックはこれまで、鉄筋工事会社向けに鉄筋の積算ソフト「鉄之助シリーズ」などを開発・販売してきた。その3D版が2011年12月に発売されたシミュレーション型自動積算ソフト「鉄之助ソリッド」だ。

 鉄之助ソリッドは、BIMソフトとはうたっていないものの、3Dによる鉄筋のモデリングや干渉チェック、数量計算などの機能はBIMソフトと同様だ。発売以来、少しずつ機能を拡張してきた。

 同ソフトではこのほど、角形鋼管柱などを基礎と接続する露出形式の柱脚工法「ベースパック」専用の入力機能が導入した。

 これまではユーザーがプレートやアンカーボルト、フレームなどのパーツを自作する面倒な作業が必要だったが、ベースパックのタイプから記号を選択し、最低限の寸法を入力するだけで、鉄之助ソリッドの上に配置できるようになったのだ。

シミュレーション型鉄筋積算システム「鉄之助ソリッド」。「ベースパック」を配置したもの(資料:アーキテック)

露出形式の柱脚工法「ベースパック」の外観(資料:旭化成建材、岡部)

「鉄之助ソリッド」の画面上で「ベースパック」タイプと最低限の寸法を入力するだけで簡単に配置できるようになった(資料:アーキテック)

 鉄筋の中にベースパックのような複雑な部材を配置する場合、当然、鉄筋との干渉問題が起こる。これを解決するのが「鉄之助ソリッド」が備える干渉チェック機能だ。鉄筋モデルを対象に干渉チェックが行い、干渉個所を「矢印」で表示してくれるものだ。

 この矢印をクリックすると、鉄筋は干渉を避ける方向に移動する。直感的に干渉問題を解決できるので、分かりやすい。

干渉部分には「矢印」が表示され、これをクリックすると鉄筋が移動し、干渉が回避される 気になる部分は、断面カット機能で詳細に確認できる(資料:アーキテック)

 鉄筋の干渉を解決するために、鉄筋を平行移動させると別のところで新たな干渉が発生することもある。そんなときには、鉄筋をしならせる方法で干渉を解決することもできる。これまで鉄筋工が現場対応で解決してきたやり方だ。それを、ソフト上であらかじめテストしておけるようになった。鉄筋工事業向けのソフトだけあって配筋作業のノウハウも込められているのだ。

鉄筋を平行移動させる方法(上)と鉄筋をしならせる方法(下)による干渉の解決(資料:アーキテック)

 「鉄之助ソリッド」の価格は、レンタルの形態となっており、ライト版が30日間8400円(税込み)、プロ版が同6万7200円(同)となっている。