形状デザインから構造設計までをBIMで連携

 意匠設計者は、ロバート・マクニール・アンド・アソシエーツ(Robert McNeel & Associates)社の曲面デザインソフト「ライノセラス(Rhinoceros)」で原形となる建物3次元モデルを作った。

 アラップはその表面形状データをベントレー・システムズの「ジェネレーティブ・コンポーネンツ」というBIMソフトに読み込み、建物の骨格となるトラスを設計した。このソフトはあるルールや数式に基づいて自動的に構造物の大きさや配置などを決める機能を持っている。

 それぞれの花びらは、寸法を自由に変えられる3次元トラスで表現し、ジェネレーティブ・コンポーネンツによって表面形状に合うように長さや位置を自動調整したのだ。こうして自動的に3次元トラスの中心線モデルが求められた。

 この中心線モデルをアラップは構造解析し、同社開発の構造解析ソフト「GSA」によって各部材の断面の大きさを求めた。さらにそのデータをベントレー・システムズの3次元建築モデリングソフト「MicroStation Triforma」に読み込んでトラス全体のBIMモデルを作り、詳細構造設計ソフト「TeklaStructures」対応のデータに書き出した。

 アラップ・シンガポール社のシニアアソシエート、アンドリュー・ヘンリー氏によると「異なるソフト間でのBIMモデルデータの交換は、IFC形式を使うと完全に伝わらないこともある。そこで各ソフト間のデータ交換ソフトを自社開発している」という。

 アラップが作成したTeklaStructuresのデータは、鉄骨の製作を担当するヨンナム社に渡った。同社ではTeklaStructuresで鉄骨の接合部などの詳細設計を行って、アラップに戻した。

アートサイエンス・ミュージアムの構造BIMモデル(資料:五洋建設)

左側がアラップ・シンガポール社のアンドリュー・ヘンリー氏(写真:家入龍太)