イエイリはここに注目した! ~「買わなかった客」の行動を分析~

 その仕組みとは、
 
買わなかった客の行動
 
をデータとして収集することです。

 商業施設に入ってきたものの、どこにも来店せずに出て行った客の行動履歴データを位置情報と連動させて蓄積・分析することで、情報提供の仕方などを改善し、売り上げ増の対策を考えられるのです。

 スーパーマーケットの商品陳列では、「紙おむつの横にビールを置くと、両方ともよく売れる」といった古典的な法則があります。奥さんから赤ちゃんの紙おむつを買ってくるように頼まれただんなさんが、横にあるビールをついで買いするためです。

 同様の分析は、POSレジのデータやICタグ、カメラを使って行われてきました。無線LANとスマートフォンを使うことで店をまたいだ広範囲な行動分析が手軽にでき、「2階のイタリアンレストランで食事した客は、1階のケーキ店によって買い物をよくする」など、客の傾向がいろいろと発見できそうです。

 インプレスR&Dの「ケータイ白書2011」によると、個人のスマートフォン利用率は2009年に4.0%だったのが、2010年には9.0%に急増したそうです。建設業界もこの動向を生かし、スマートフォンによる案内情報サービスを付けた商業施設などを施主に提案すると、ビジネスチャンスが広がりそうですね。

家入龍太(いえいり・りょうた)
1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2006年、ケンプラッツ上にブログサイト「イエイリ建設ITラボ」を開設。2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。
家入龍太の公式ブログは、http://www.ieiri-labo.jp/。ツイッターは、http://twitter.com/ieiri_lab