今回の建設IT注目情報 ~エーアンドエー「Vectorworks Solution Days '10」~

 CADベンダーのエーアンドエーは12月2日~3日に、東京・原宿で「Vectorworks Solution Days '10」というイベントを開催しました。

 2011年1月に同社が発売する新製品「Vectorworks 2011」では、CGを作成するレンダリング機能が質・スピードともに向上します。文字や寸法線を3D空間で編集・表示する機能を追加するほか、3次元形状の物体をモデリングする機能や、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)で床や壁の断面を詳細にモデル化する機能も強化します。

 このイベントでは、これらの新機能を紹介するとともに、ユーザーである建築家や工業デザイナーなどが講演しました。

Vectorworks2011の新機能について講演する同ソフトの開発元、米国ネメチェック・ベクターワークス社の最高経営責任者(CEO)、ショーン・フラハティ氏(左)とセミナー会場に隣接した展示会場(右)(写真:家入龍太)

その中には、
 
劇団四季の音響技術者
 
も含まれていました。

 建築家の石上純也氏は「自作について」と題して講演しました。建築だけでなく、重さ1tもの金属製の「四角い風船」や、水位によって形が変化する不思議な湖、厚さ3mmの金属板で作った全長10mのうねるテーブルなど、斬新な作品を紹介しました。

 建築家、吉村靖孝氏は「アーキテクチャとアーキテクチャー」と題して、コンテナと同じ規格で設計・製造し、タイから日本にコンテナ船で輸入したプロジェクトや、古い建物をリゾート施設や商業施設として再生するプロジェクトについて紹介しました。

石上純也氏(左)と、2007年に公開された四角い風船(右)(写真:家入龍太)

吉村靖孝氏(左)とコンテナ規格で設計・製作されたホテルを紹介したプレゼンテーション資料(右)(写真:家入龍太、資料:吉村靖孝氏)

 テコデザイン代表の柴田英司氏は「Human Centered Designを実現するVectorworks」という題で、3次元CADで手こぎ式自転車を設計し、完成にこぎ着けるまでのストーリーを感動的に語りました。

 最後に、劇団四季で音響技術者を務める吉田常夫氏が「劇団四季の舞台を支えるVectorworks」と題して講演しました。同劇団のセットは3次元CADで設計しており、スピーカーやアンプから、ケーブルのプラグにいたるまでをCAD部品化してあるとのことでした。

テコデザインの柴田英司氏(左)と、手こぎ式自転車に乗るエーアンドエーの内田和子社長(右)(写真:家入龍太)

劇団四季の吉田常夫氏(左)と、3次元CADで設計された「マンマ・ミーア」の音響セットを紹介するプレゼン資料(右)(写真:家入龍太、資料:吉田常夫氏)

 キャッツやライオンキング、マンマ・ミーアなどでは約100台のスピーカーを使用しています。そのスピーカーは作品ごとに置く場所が変わります。さらにコンピューター制御で舞台上のオブジェが動くようにするなど、舞台装置は驚くほど精巧に作られています。

 そこでは、舞台効果を最大限に発揮するために、BIMのような設計手法を活用しているのです。