今回の建設IT注目情報 ~環境建築イベント「Better Building, Better World」~

 8月16日から20日まで、上海で開催された環境建築イベント「Better Building, Better World」(主催:スタンフォード大学、同済大学)の最終日、東京都市大学都市生活学部の岩村和夫教授と私が講演しました。

 まず岩村教授が日本の環境建築の評価指標である「CASBEE」とBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の連動について講演しました。世界には環境建築の指標を持っている国は多いですが、BIMソフトと連動させる取り組みを行っている国は少ないようです。会場を埋めた約100人の参加者は、熱心に聞き入っていました。

CASBEEとBIMとの連動について講演する東京都市大学都市生活学部の岩村和夫教授(写真:家入龍太)

 その後、私がBIMによるシミュレーションとコラボレーションについて講演しました。岩村教授の話とは切り口が違いましたが、図らずも
 
日本のBIMを売り込む
 
形となったのです。

 欧米に比べて、日本はBIMの普及が数年、遅れているのが現状です。しかし、BIMのモデルデータを用いた動的応答解析や熱流体解析(CFD)、避難解析やドライビングシミュレーターなどのシミュレーション技術については、欧米より進んでいる面もあります。

 また、日本人にはもともと協調性が備わっており、昨年、IAI日本が開催したBIMによる仮想コンペ「Build Live Tokyo」などでも、ネットワークを介した見事なコラボレーションを各チームが実現しました。そこで、私の講演ではシミュレーションとコラボレーションを「日本のBIMの強み」として位置づけました。

 冒頭に日本のBIM導入の歴史について説明した後、10分間のビデオを上映しました。ビデオではBIMモデルを使った各種解析事例や、空気調和・衛生工学会によるCFD用BIMパーツの標準化作業、東京・大崎で建設中のソニー事務所ビルに備えられた「バイオスキン」のCFDシミュレーションなどについて紹介しました。

 バイオスキンとは、建物の外側を陶器の管でメッシュ状に覆い、管に供給した雨水の蒸発熱で建物周囲の空気を冷やす装置です。

私が講演で使用したビデオからの抜粋画像。各社提供の動画に字幕を挿入した(上から1段目左:環境シミュレーション、1段目右・3段目左:フォーラムエイト、2段目左:アドバンスドナレッジ研究所、3段目右:日建設計、2段目右・4段目左右:家入龍太)

 慣れない英語での講演は緊張しましたが、終了後、「バイオスキンはとても面白い」、「日本のBIMもすごいじゃないか」と各国の人から声をかけられましたので、少しは日本のBIMのPRに役立ったのではないかと思いました。

 ところで、私は講演中の自分の姿を独力で写真に撮ることに成功しました。いったい、どんな方法を使ったと思いますか。